ゆっくり育てたい2010/01/21 23:12:09

先週に続いて、今日も仕事のあとに場所を移して手話教室があった。
見学に来て下さったかたがおひとり。とてもうれしいとともに、責任を感じる。

けさのある新聞を読むと、「ユニクロ、マクドナルド、スターバックスなど、障がい者雇用に熱心な会社、いいかえればたくさん障がい者を雇用している会社は業績がいい」らしい。

けれど残念なことに、景気が悪化するとまっさきに切られるのは、弱い立場の人ばかり。昨年秋から、労働関係で妊娠を理由に解雇された、という訴えが増えているというし、障がい者が解雇されたというケースもたくさんある。
つまり景気が悪化すると、経営者にとってはそうそうきれいなことも言っていられない、効率や採算に合わない弱い立場の人には、去ってもらいたい、というのだろう。

たしかに障がい者を雇用するとなるとたいへんな問題がいくつもある。車いすのためのスロープや目の見えない人のための点字といった、移動や活動のためのバリアを解消する問題だけではなく、職場内のコミュニケーションの工夫や、障がいゆえに病気がある人、介助が必要な人など、個別の対応もある。

けれど障がいがある人だって本当は働きたいし、自分の能力を高めたい、認められたい、生かしてほしい、という気持ちがあるのだ。

今回のわたしの手話教室は、わたしにとっても勉強やいい刺激になっている。ふだん一方通行のコミュニケーションで、向こうから声をかけられることが多い。手話を教えるということで、こちらから働きかけたり反対に聞かれたりすることで、双方向のコミュニケーションとなって、わたし自身も積極的に動こうという姿勢になる。受け身ではなく能動的に動いていける。仕事ではないとはいえ、自分が変わっていける実感を強く感じる。だからとても楽しいし、やりがいを覚える。
けっして上から教えてやろうなどと言うのではない、自分らしくいられるのだ。

どうなるかわからないけれど、この手話教室がきっかけとなって、会社も社会も、聞こえない人だけではなく障がいのある人に対する理解が深まっていけたらと思う。

ゆっくり育てていきたい。