何かを伝えられるようになりたい2010/01/10 00:26:43

今日のスポーツ新聞、日刊スポーツに掲載されている「日曜日のヒロイン」(毎週日曜日芸能面掲載)。バックナンバーはこちらから注文して取り寄せることができる。
http://www.nikkansports.com/ns/nikkansports/paper/backnumber.html

今日の「ヒロイン」は薬師丸ひろ子さん。

まだ聞こえていたころによく聴いた、高く澄んだ歌声は、いまでも思い出すと懐かしい。
来生たかおさんの曲(「夢の途中」)のカバーである「セーラー服と機関銃」、「探偵物語」。なかでもいちばんわたしが好きな曲は「メイン・テーマ」である。

       時は忍び足で こころを横切るの
       もう話す言葉も 浮かばない
       あっけないキスのあと ヘッドライト灯して
       蝶のようにはねる 波を見た

わたしが好きなくだりは

       愛ってよく わからないけど
       深呼吸 不思議な気分
       わかってる 昨日の賢いわたしより
       少しだけきれいになったこと

       笑っちゃう 涙の止め方も知らない
       20年も生きてきたのにね
       生きてきたのにね

……あれから20年あまり。
この7日、薬師丸さんは出演最新作『今度は愛妻家』の公開記念ライブを都内で開いたという。わたしももし聞こえていたら、聴きに入ったかもしれない。

そのインタビュー記事である「日曜日のヒロイン」で、薬師丸さんはこう語っている。
「ライブのきっかけは、『今度は愛妻家』の打ち上げでカラオケに行って、歌ったことがきっかけでした。(中略)わたしと同世代の方が青春時代に見た映画の中に、たまたまわたしがいたり、わたしの歌があったりしたので、みなさんが非常に懐かしがってくださって。そのときの自分を思い出して、涙される方もいたりして、音楽を聴いて、もう一度自分の大切な記憶にたどり着くことができるんじゃないかと」

そうなんだ。
わたしがこの記事で強く胸を打たれたのは、薬師丸さんがおっしゃった「もう一度自分の大切な記憶にたどり着く」ことではないだろうか。
あのころ、あんな歌に出会った。涙を流したり、勇気づけられたり、いろいろあるだろう。
その「大切な記憶」を思い出しながらどれだけ人のこころに訴えかけられる歌があるだろう。いまの歌を全否定するわけではないけれど、言葉がやせ細ってしまい、何を言いたいのだろうかと思いたくなる歌が多いように感じられる。

朗読も手話ソングも、できるなら、微力であっても、多くの人に何かを伝えられるようになりたい。あたたかく凛とした語り口、手話表現でありたい。

今日、ある教会員のかたに、わたしの好きな愛唱賛美歌のひとつは、「山路こえて」(旧賛美歌404番)だとお話しした。加えてお話ししなかったけれど「主よ 終わりまで」(旧賛美歌338番、賛美歌21 510番)も挙げていい。
いつか「山路こえて」のモデルとなった愛媛県の法華津峠を歩いてみたい。

生涯、できるならささやかでいいから、わたしの手話なり朗読なりが、人のこころに希望なり愛なり、なにかを伝える、遺すものでありたい。そんな生涯を送りたいと、薬師丸さんのインタビューを読みながら感じた。