翼をください2008/06/10 23:27:05

今日はまたわたしのお気に入りの曲をつづってみたい。
「翼をください」。1972年の曲である。

この曲は手話でも学校などの合唱団でも歌われているし、また多くのシンガーによってカバーされている、とても知られた曲である。ゆえにこの曲の歴史などうんちくめいたものは、書く必要がないだろう。

しかしわたしがこの曲を聴くとき、こころ揺さぶられる歌詞がある。

         子供のとき 夢見たこと
         今も同じ 夢に見ている

         この大空に 翼をひろげ
         飛んで行きたいよ
         悲しみの無い 自由な空へ
         翼はためかせ 行きたい

子どものときに夢見たこと……。なんだろうね。遠い目で振り返ってみる。
そうだなあ。運動であれ勉強であれ秀でているというわけではなかったし、耳が不自由で背が小さいからいじめられていた。けれど、本を読む、読み聞かせなどは好きだった。自分の世界に閉じこもるということもあったけれど、だからといってひきこもるわけでもなかった。

外の世界へ出ていくのは厳しいしつらいことだったけれど、なんとか生きてこられた。
つらいこと苦しいこと、たくさんあったけれどまんざら悪いものでもなかった。そう今だから言えるのかもしれない。

悲しみのない自由な空へ。
本当にやりきれないかなしい出来事ばかり続く。いったいどうなってしまったのだろう。
鳥のように自由に羽ばたけることができたらどんなにかいいなと、今でも思う。
けれどかなわないこと。
滑空したり急降下したりする翼をもっていないけれど、人のこころを思いやり、痛み悲しみをわかちあえることはできる。

つらく苦しいのは自分だけではないぞ。だからこそ空飛ぶ翼の代わりに、勇気と優しさを持って生きることができる。そう強く思う、ここ数日の悲しい出来事。