補聴器の値段 今昔2008/06/20 23:31:27

へえ~っと、目が開かれた思いがした。補聴器の価格である。

「新 値段の明治大正昭和風俗史」という本をひらいたときのことである。
ダービーの賞金だとかそろばんだとか、値段の変遷を取り上げた本であるがそのなかに補聴器の項目があった。

ざっとあげてみよう。
わたしが初めて使った補聴器は箱型。以来メガネ型、いまは耳かけ型を使っている。

箱型  1935年=120円~240円(輸入品) 320円(骨導式・輸入品) 1948年=6万円(輸入品) 5000円(国産品) 以下、1965年=13500円(国産) 1975年=23000円 1983年=58000円とある(以下はすべて国産品)。

眼鏡型  1960年=2万円 1971年=38800円 1983年=130000円

耳かけ型  1960年=18000円 1971年=36500円 1983年=64000円 82000円(自動騒音抑制装置付き) 1987年=92000円

耳穴型(記事では挿耳型) 1977年=58000~65000円 1988年=148000円

戦前の120円を現在のそれと一緒に考えてはいけない。当然貨幣価値が異なるから、いまだといくらくらいだろう。
戦後でも、わたしが生まれる前のメガネ型で2万円はやはり高い買い物だったに違いない。時代が下るにつれて価格が上がるのは、電子部品などはもちろん使われるようになり、補聴器の機能が向上したためである。それでも、10万円前後は、ちょっと考えれば高価なものだ。昔アマチュア無線をやっていたころ、どうしてもほしかった無線機の価格はなんと20万円もした。海外のアマチュア局と交信できる短波無線機でも、28年くらい前に10万円を切るか切らないかの価格が当時、アマチュア無線のトップニュースだったほどだ。
    
写真は、真ん中を除いて4台はいずれもデジタル補聴器。まともに買えば左右両耳装用で30万円くらいはするだろう。

驚きとともに、これだけ高価なものだからこそ、わたしたちにとっては切っても切れない、大切な存在だということ。そして手に入れたくても手に入れられなかった難聴者の苦しみにも思いをはせるのだ。