正解なのかわからないけれども: やさしい愛の手のひらで　今日もわたしは歌おう ――I will sing with a palm of gently love today――

医療技術の進歩や高齢出産が可能になるなどで、妊娠中に胎児に異常があることがわかったとき。あなたならどうするだろう。
先日の新聞で、中絶するという人が増えているという報道があった。

今日仕事の後の手話サークルで、わたしが耳が聞こえないとわかったときに両親がどうしたか、という質問を受けた。
以前にもどこかで話したことだが、難聴がわかったのは小学校入学前のことだった。それまでは聴こえていると思っていたらしいが、診断で「この子は将来聴こえなくなる」と言われたという。
小学校に入るときもろう学校ではなく普通学校を選択したのは「聴こえる子といっしょにしたほうがいい」という親の判断があったからだ。

わたしの場合は生まれた後だったからまた違ってくるだろうけれども、もし仮にわたしに子どもができて、その子どもが障がいがあるとわかったら。

でも中絶するという決断はしたくない。
聴こえないことでいまもこれからもしんどいことがあるだろうけれど、楽しいこともあるから、まんざら悪くないなと思う。
どんな子どもであっても障がいがあろうとなかろうと、生きていることに変わりはない。

でも親の気持ちもわからないではない。

なにが正解なのかわからないけれども、わたしは障がいがあってよかったと思っている。
すべての人にそれが当てはまるとはいえないことは承知しているが。