「。」と「、」がない代わりに2012/04/10 23:55:40

未明の東京スカイツリー
手話というと、「速い」「難しい」というイメージを持たれる方がいまだに多い。
たしかに言葉だからすぐには覚えられない(英語を見よ。中学から大学まで10年やったにもかかわらず!)のだから。
でも必然性=生活の中で必要だ、という意識をもつこと・習うより慣れよ=はじめはたどたどしくても使い続けること・継続は力なり=学びを続けていくこと、があれば道は開けると信じている。

秋の舞台はまだ台本を決めかねているのだけれど、ひとまずわきに置いて、よくみなさんが感じる「難しさ」を考えてみたい。

日本語だったら、書き言葉、文字だったら当然、「。」「、」がある。「今日、テレビで大リーグ中継を見た。ダルビッシュがなんとか勝って、とても安心した」というように。
だが手話は文字で言う「。」「、」がない。というかそもそもありえない。
その代わり、「。」のときは手を前に置く。文がいったん終えることを示す。「、」はうなづきで表す。
さきの文を例にするなら。「今日、(ここでうなづく)テレビで大リーグ中継を見た。(ここで手を置いてとめる)ダルビッシュがなんとか勝って、(うなづき)とても安心した」というように。それを速く表しているのが日本手話でありろう者の人たちだ。
例の文は自分だけで言っている、独白だが、たとえば会話のときはからだや顔を左右に向けたり視線の向こうに話し手がいるとイメージ仮定して表す。
例文を少し変えてみよう。

A 「今日、テレビで大リーグ中継を見た。」
B 「へえ。で、どうだった?」
A 「ダルビッシュがなんとか勝って、とても安心した」

AとBの会話とすると、Aを左、Bを右とイメージ仮定して、まずAの文を左へ向けて表す。Bは演じるわたしがBになりきって、Aがいるとイメージして右へ向ける。最後のAも初めと同じように左へ向ける。

これを速くやっているのが手話落語だ。そもそも落語はひとりで何役も演じていく。だから手の動きも顔もからだの向きもいろいろ。そうやって登場人物や語り手を演じ分けていく。メリハリとテンポよく表していく。

初めは慣れなかったりぎこちなかったりするかもしれないが、落ちついてゆっくりやっていこう。次第にコツがつかめるようになる。
秋の舞台でもいつかやってみたい手話落語でも応用がきくだろう。

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