なお、望みを見いだすことができる2016/07/13 23:43:33

ここ毎朝妻と見ている「とと姉ちゃん」。

12日の放送分。

8月15日の終戦の日に、花山伊佐次(唐沢寿明)は「すべてに気付いた」と話しただけで、あとは何も言わず、ペンを2度と握らないのだという。

そして今日の回。
花山が語った、「すべてに気付いた」という言葉。
自分が言葉で人々を戦争に駆り立てた。言葉が人のこころを強くもし支えもする。言葉のもつ力を知っていたはずなのに。だからペンを2度と握らないのだ、と。

聞いていてある人を思い出した。
三浦綾子さん。
彼女も国民学校で子どもたちに「日本は神の国だから戦争には負けない」と教えていた。しかし戦争に負けた。そのショックで教員をやめたという。自分が教えてきたことがどれだけ子どもたちを間違った方向へ導いていたかと、自責の念もあったのだろう。

三浦綾子さん、花山伊佐次と、自分が信じてきた価値観や考え方が根底からひっくり返されたということのショックはいかばかりだっただろう。
しかし、三浦さんはそのショックのなかでカリエスなどの病気にあい、生きる望みを失ったさなかでキリストに導かれた。

わたしは思う。
絶望しかないような状況にあってもなお、望みを見いだすことができる、それもまた人間のもつ可能性なのだと。