いくら縛ろうとしても ― 2010/03/19 23:49:11
東京都が都議会に提案している、「青少年健全育成条例改正案」。子どもを性的な対象に描いたマンガやアニメを規制しようというのがねらいだそうだが、ここ数日新聞でも取り上げられている。
昨日の朝刊では都議会総務委員会で、賛成か反対かの採決が先送りにされる公算が強まった、と報じられている。
たしかにコンビニなどに陳列販売されている18歳以上向けのアダルト雑誌には、18歳未満として描かれている少女少年がセックスの対象にされたり、性暴力の場面があったりする。なかにはセックスや性暴力を誇張して描いたものもある。それらの作品を18歳未満の子どもには販売しないように、というのが趣旨らしい。
だが、わたしははっきりいっていくら規制しても無意味とは言わないが、かえってこれらの表現作品は地下に潜ってしまうだろうと考える。表には出ないことで一見、なにもおきていないように感じるかもしれないが、逆にますます表現がエスカレートしてしまうだろうと思うのだ。
こうした表現の一方で、性に目覚める若い人たちへの教育や知識を深めようとすると、「寝た子を起こすな」という反発がいまだにあることだ。むしろこういった現実があることで、わたしたちの身の回りがいかにおかしなものになっているかを考えさせて、男性も女性も、異なる性ゆえに理解し合い、お互いを大切なものとして生きていくとはどういうことか、を知識ではなく具体的な生活の中で考えていくほうがずっといい。
いびつだと思うのは、少子高齢化のなかで、企業に働いている男性がなかなか子育てや子どもとかかわる時間機会が少なく、女性にしわ寄せがきていることだ。マンガやアニメと違うという反論もあるだろうが、男性と女性がともに生きていくという視点ではなく、一方が低く押し付けられて一方が無関心であるということにおいて、根っこでつながっているのではないか、ということだ。
いくら権力や政治家がしばろう規制しようとしても、人のこころや思いはそう簡単にはしばられない。「表現の自由」という面からも、おかしなものである、とわたしは思う。
案の定、日本雑誌協会、日本書籍出版協会など4団体でつくる出版倫理協議会やマンガ家らから、「恣意的な判断で検閲や弾圧につながる」などという、猛烈な反対がわき起こっている。
この案を考えた人たちは、純粋培養というつもりなのかもしれない。だが純粋培養を一方的に押し付けるような社会では、健全な社会とはいえない。
こんな条例案は、はっきりいっていらない。
昨日の朝刊では都議会総務委員会で、賛成か反対かの採決が先送りにされる公算が強まった、と報じられている。
たしかにコンビニなどに陳列販売されている18歳以上向けのアダルト雑誌には、18歳未満として描かれている少女少年がセックスの対象にされたり、性暴力の場面があったりする。なかにはセックスや性暴力を誇張して描いたものもある。それらの作品を18歳未満の子どもには販売しないように、というのが趣旨らしい。
だが、わたしははっきりいっていくら規制しても無意味とは言わないが、かえってこれらの表現作品は地下に潜ってしまうだろうと考える。表には出ないことで一見、なにもおきていないように感じるかもしれないが、逆にますます表現がエスカレートしてしまうだろうと思うのだ。
こうした表現の一方で、性に目覚める若い人たちへの教育や知識を深めようとすると、「寝た子を起こすな」という反発がいまだにあることだ。むしろこういった現実があることで、わたしたちの身の回りがいかにおかしなものになっているかを考えさせて、男性も女性も、異なる性ゆえに理解し合い、お互いを大切なものとして生きていくとはどういうことか、を知識ではなく具体的な生活の中で考えていくほうがずっといい。
いびつだと思うのは、少子高齢化のなかで、企業に働いている男性がなかなか子育てや子どもとかかわる時間機会が少なく、女性にしわ寄せがきていることだ。マンガやアニメと違うという反論もあるだろうが、男性と女性がともに生きていくという視点ではなく、一方が低く押し付けられて一方が無関心であるということにおいて、根っこでつながっているのではないか、ということだ。
いくら権力や政治家がしばろう規制しようとしても、人のこころや思いはそう簡単にはしばられない。「表現の自由」という面からも、おかしなものである、とわたしは思う。
案の定、日本雑誌協会、日本書籍出版協会など4団体でつくる出版倫理協議会やマンガ家らから、「恣意的な判断で検閲や弾圧につながる」などという、猛烈な反対がわき起こっている。
この案を考えた人たちは、純粋培養というつもりなのかもしれない。だが純粋培養を一方的に押し付けるような社会では、健全な社会とはいえない。
こんな条例案は、はっきりいっていらない。
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