もう15年 まだ15年2010/03/18 23:23:07

1995年3月20日 朝8時。
わたしは会社の宿直室から起きて、泊まり明けの仕事にとりかかろうとしていた。
眠い目をこすりこすり、目の前に出てきた仕事にとりかかろうとしていたその矢先、テレビの画面にくぎづけになった。「地下鉄で大規模なテロ」「地下鉄が止まっている」というのだった。一瞬で眠気が吹き飛んだのはいうまでもない。

しばらくして仕事の仲間や先輩らが駆けつけてきた。もちろん目の前に出された仕事は変更になった。

午前中で仕事を終えて当時住んでいた独身寮に帰ろうとしたが、営団地下鉄(当時)日比谷線・千代田線・丸ノ内線は全面ストップ。歩いて都営地下鉄駅までたどり着きう回し1時間以上かけて、ようやく帰った寮の管理人さんは、わたしの実家の家族から「無事か」と安否を問う連絡があったと話してくれた。

いまも、これからも生涯忘れられない日のひとつになった「地下鉄サリン事件」の記憶である。その日の夜、ニュース番組はもちろんこの事件一色で埋め尽くされた。

あれから15年、まだ15年。
一生消えることのない、サリンの後遺症に苦しんでいる方がたくさんおられる。家族を失った方の悲しみ苦しみも、いやされることはない。

宗教を理由にしたにせよ、違う理由にせよ、どんなことがあってもわたしはテロを容認することはできない。
どんな理由があっても、宗教はひとのこころを救い、生きる希望をつくるためにあるのであって、ひとのいのちを奪ったり傷つけたりするためにあるのではない。

あのようないまわしいできごとから、「9・11」をへて、わたしたちは何を学んだのだろう。

犠牲になられたかたがたのごめい福を、こころからお祈りいたします。