いいリメイクと悪いリメイク2010/03/06 10:00:41

「幸せの黄色いハンカチ」と「YELLOW HANDKERCHIEF」。
仕事帰りの途中、通りかかった映画館の入口で、懐かしい作品のポスターを見た。

「幸せの黄色いハンカチ」――わたしにとってはどうしても山田洋次監督であり高倉健さんであり、武田鉄矢さんなのだけれど。
ところが、アメリカでこのほどリメイクされた作品は、ウィリアム・ハート(「愛は静けさの中に」などで知られる)が出演したという。英語のタイトルは「YELLOW HANDKERCHIEF」。
もともとはピート・ハミルの小説を山田さんが日本の映画で製作したのだから、厳密には里帰りなのかもしれないけれどね。

とはいえ、山田さんはアメリカ版をつくるにあたって許可を出すとともに、オリジナル――山田さんのつくった作品のイメージを壊さないように、とだけ、念を押したのだそうだ。

ハリウッドも近年はいい脚本や原作に恵まれず、日本の小説などにアイデアを求めたり、アニメに力を入れたりしている。加えてリーマン・ショック以後、全体的に興行収入が振るわず、インターネットなどの影響もあって凋落に陥りかけているという。

日本だってハリウッドに題材を求めたり、「スター・ウォーズ」以後、CGを取り入れたりしているから、エラそうなことはとても言えないけれど、ひとつだけ言いたいことがあるとすれば、リメイクに走るのは結構だけれど、オリジナルのもつ文化というか、オリジナルが醸し出す世界を勝手に壊したり脚色しないでほしいな、とは思う。さらには異文化をどうみているのか、気になる。

アメリカでもアジア人、特に女性を描くときはまだまだゲイシャ的なイメージで描かれることが多い。ことに異なる文化を描くとき、一面的なあるいは思い込みのようなイメージで描いていないか。しかしこれにはアメリカで活躍しているアジア人俳優が少ないこともあるのかもしれない。

話を戻す。
「幸せの黄色いハンカチ」と「YELLOW HANDKERCHIEF」。
それぞれ4月と6月に公開される。
ぜひ見比べてみたい。