人間の可能性2010/10/31 17:22:31

響け、左手だけでも 難病ピアニスト、300曲集めCD
http://www.asahi.com/national/update/1026/OSK201010260042.html?ref=rss4&ref=other

人間の可能性というものを信じる人もいればいないひともいる。わたしは結論を言えば、可能性を信じる側に立ちたいし、可能性はあると信じている。

この記事もそうで、世界中にある、左手だけのためにつくられた曲を集めてCDにしたのだそうだ。左手だけで弾くのはやってみると難しいのだろうと、音楽に門外漢であるわたしでさえ理解できる。まして曲が1000曲もあり古くは17世紀からあったなんて、驚くほかない。

「左手の曲」は、病気やけがで右手が使えない人や技術を向上させたい演奏家のために作られた作品だ。「曲の骨格は低音にある」ため、高音階の鍵盤が中心の右手の曲より多く、世界に千曲以上あると言われる。

へえ。

思い出すのはもう10年以上前にお会いした、片手片足が義手義足のキッカー、トム・デンプシーさんだ。
彼はまだドーム球場がない時代の1970年にチュレーン大学のチュレーンスタジアムで63ヤードの最長フィールドゴールを記録している。繰り返すけれどいまのようなドーム球場もない時代。デンプシーさんによれば試合当日は風が強かったのだそうだ。フットボールの形状を考えるまでもなく、キックのコントロールは非常に難しい。そんななかでなおかつ鉄製のシューズをはいてキックした彼は、身体障がい者だ。いまなおタイ記録ながら語り継がれていることに、敬意を表したい。

聞こえなくても片手しか鍵盤に触れなくても、意思次第で道はひらかれるのだ。
人間の可能性をわたしは信じ続けたい。