国を越えた競い合い2006/05/14 21:02:36

 あれからもう4年になるのか。日韓共催のワールドカップサッカーから、今度はドイツでひらかれる大会に日韓ともに出場することになった。
 3月にアメリカでひらかれたベースボールのワールドカップ(WBC2006)でも日韓両国が出場ししのぎを削って戦いを繰り広げた。
 サッカーともなるとスケールがでかすぎてピンとこないけれど、かつてワールドカップ出場をかけた大陸予選の結果で、国同士が本当に砲火を交えたこともあった。1970年メキシコ大会の予選、1969年北米カリブ海予選でのホンジュラスとエルサルバドルだ。エルサルバドルが3-2でホンジュラスを下したのが発端で、和解まで10年を要した「サッカー戦争」といわれた。
 そこまでやるかという気もしないではないけれど、それほどに国の威信をかけた戦いがある。

 わたしは本当の戦火はごめんこうむるけれど、国同士が戦い、競い合うスポーツはいくらあってもすごいと思う。
 なぜなら自分の故国の代表があって異なる国の代表があって、それぞれに応援して自分の何たるかを確認することができ、お互いの国に敬意を表することにつながるからだ。つまり、敬意をもって競い合う上でなら、国際試合にこころひかれるのだ。

 悲しいかな、どうしてもそこには偏狭さがつきまとう。時として暴力に訴えることもある。
 今回の主催国ドイツは統合ドイツとしては初めての主催だ。第2次世界大戦で憎しみあったポーランドやオランダなどからも熱心なサポーターがやってくる。ナチスの使ったヘルメットと同じデザインの色違いヘルメットを持ち込もうとするサポーターがいるし、ネオナチやフーリガンが暴動を起こすかもしれない。そのため警備が厳重になっていると伝えられている。さらには国際テロ組織も入り込んでくるかもしれない。

 思い出してほしい。
 スポーツができるのは平和だからこそ。平和なときだからスポーツの感動を味わえるのだ。
 それをぶち壊しにしようとする暴力を、わたしは憎み嫌う。
 暴力からは何も生まれない。
 
 あと1カ月で熱狂のフットボールが始まる。