いのちのロープ2006/05/22 23:06:44

 いろいろ不愉快なニュースいらだたせる出来事が相次ぐ昨今。いったいこの世の中はどうなってしまったんだろうと疑問、怒り、不安がいくつにも渦を巻いて押し寄せてくる。

 そんななかで大切にしたいこと。
 いのちのロープということだ。

 故絵門ゆう子さんが著書のなかで何度も書いておられることだけれど、絵門さんが朗読や童話を書いたりエッセーを書いたりしたことが、周りのわたしたちに生きる希望と勇気を与えてくれた。いわば生きる支え、ロープであったと思う。逆に考えると、絵門さんを支えようと、周りも絵門さんにエッセーの執筆や朗読や、有形無形の仕事を通して生きてほしいとロープをおくったのではないだろうか。

 と考える。
 そうすると、ひとつの希望がみえてくる。
 仕事でも、たしかに生存競争というか実力主義で考えてみれば、取り残されたり追い越されたりしてつらい思いをするかもしれない。しかし、なにがなんでもウサギのように突っ走っていくことだけが人生ではない。むしろウサギのようでも、ゆっくりお昼寝をして自分のなかにエネルギーをためていくことも大事ではないだろうか。

 わたしは取り残されたり追い越されたりという生存競争では、もはや勝者にはなれないかもしれない。しかし、いろいろなかたちでロープを投げられている。投げられたロープにしっかりしがみついてでも生きることが、希望になっている。
 だとしたらその投げられたロープにしがみついて、しっかりこたえていきたい。そしてわたしもまた、周りの人たちにいのちのロープを投げてあげたい。
 どんな人間でも、必要とされない人間はいないし、どんないのちも欠けてはいけないのだから。

 生きたくても生きられなかった、多くのいのちを思う。
 神さまのみもとで、いつかまた会えることを祈りたい。