ふたつの「ブラックアウト」2018/09/06 22:36:24

けさ起きてテレビをつけた瞬間、わたしの目に飛び込んできた光景に一瞬、わが目を疑った。
北海道の厚真町。鉛筆の先をカッターナイフで削ったのにも似た、崩れた山肌、山肌から崩れた土砂や樹木が田畑や道路を埋めていたり家屋を倒壊したり。

「ブラックアウト」という言葉も出た。
わたしが知っている「ブラックアウト」の意味は、まもなくシーズンが始まるNFLのテレビ中継で「試合開始72時間前までにチケットが完売しない場合、スタジアムを中心に半径75マイル(=約120km)以内のローカルテレビ放送を行わない」というもの。つまりチケット完売しない試合はテレビ中継もしない、という意味でテレビの画面が文字通り真っ黒になるという意味だ。

今回の「ブラックアウト」はもちろんフットボールとはまったく関係がない。
地震発生当時苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が損傷した可能性があり、北海道内のおよそ半分の電力を供給していたのが、地震にともない、北海道内の電気の使用量と供給量が崩れたため、発電所で電気の供給を遮断する安全機能が働き、北海道各地で電気の遮断がドミノ倒しのようにいっせいに起こり、すべての発電機が電気系統から離れて広域で停電した。これを「ブラックアウト(全系崩壊)」という。

当然、電気なしには生活が成り立たないわたしたちにはかり知れない影響をもたらした。ATM、IH、病院での重症患者らへの酸素呼吸器、信号……。

自然の前には人間の技術など、一瞬にしてもろいもの。