何かになれなくても生きる意味がある2018/09/17 22:53:19

声を上げると聴者にみられるけど、本当はろう者です。補聴器をつけていてもほとんど音声言語が聞き取れない。補聴器を外すとまったく聞こえません。声を出して話せるから聴者に見られるけど聞こえません。

でもそれでよかったのだと思います。耳が聞こえない上に話せるというジレンマのあるからだに生まれて、手話と出会い、劇団に入り、まして日本手話と音声で同時にひとりで朗読をやる、という矛盾した無茶な挑戦を劇団に入る前から続けてこられた。
病気になったことで不自由さから学ぶこともある。 がん患者でろう者で心臓に病気があって聴者にみられる、聴者と同じように話せる。そのからだに生まれてよかった。

映画『あん』にこのようなセリフが出てきます。
「私たちはこの世を見るために、聞くために、生まれて来た。だから、何かになれなくても、私たちには、生きる意味があるのよ」

樹木希林さんのご冥福をこころからお祈りいたします。