見てくださるお客さんの目は正直だし正確だ2010/09/26 20:53:51

一夜明けて、どっと疲れが出た。けれどなんと言ったらいいのだろう。同じ疲れでもここちよいのだ。

いくら本人がよかったと思っていても、見てくださるお客さんの目は正直だし正確だと思う。
あのとき、立ち見も入れて100人を超すお客さんがいたと思う。たぶん130人くらいはいたのではないか。
何人がいようが気にならないわたしだ。場面の途中でいったん舞台上のライトを落として、徐々に浮かぶように見えてきたお客さんの顔にも動じなかった。そのお客さんすべてがこちらを見ている。じぃ~っとみつめている。知っている人、知らない人……。けれどまったく気にならない。

観られているということは、逆にいえば試されているのだと思う。一挙一足、動きから何からすべてが見られ、どういう風に動くのだろう、次はどうなんだろう、と。
その緊張感がわたしを、いいかげんなものにはさせず、舞台上から何かを訴えかけ伝えられるように、後押しをしてくださるのだ。

その緊張感と舞台に立てる、表現できる喜びが、なによりも代えがたい。わたしがわたしらしくいられるのは舞台上だけだ。
いつも思うことだが、反省点や足りなかったところ、不満がいくつも後から後から出てくる。それが舞台というものだ。お客さんの生きた反応や演じるわたしたちの思い。
完成というものがないという意味では手話の学びと共通している。