『ハドソン川の奇跡』2016/10/08 23:22:55

妻と甥っ子と一緒に映画を観てきた。クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演『ハドソン川の奇跡』。

2009年1月15日午後3時30分ごろに、ニューヨーク発シャーロット経由シアトル行きのUSエアウェイズ1549便が、ニューヨーク市マンハッタン区付近のハドソン川に不時着水した航空事故を題材に、事故後の機長らがNSTB(国家運輸安全委員会)から「ラガーディア空港へ行けたのでは?」「機体や乗客を危険な目にあわせたのではないか」などど厳しい追及を受けいていたという事実から、英雄としてまつりあげられる葛藤と苦しみ、旅客機の機長としてのとるべき行動とは、プロとはということを描いている。

甥っ子にはちょっと難しかったかもしれないけれど、これから生きていく上でいろんな思索学びになるだろう。
もちろんわたしもまた、この映画から感じることが多かった。
人としてのありよう生き方を考えさせられたのはいうまでもない。

イーストウッドらしいすばらしい作品だと思う。

『名もなく貧しく美しく』『典子は、今』2016/09/02 23:40:02

今日からさっそく、昨日書いた歩き方を意識してやっている。
意識するとしないとではまるで違う。意識するから動きも変わってくる。

映画監督の松山善三さん死去 「名もなく貧しく美しく」
http://www.asahi.com/articles/ASJ926292J92ULZU009.html?iref=comtop_list_obi_n01

『名もなく貧しく美しく』はわたしたちろう者難聴者の苦悩を知らしめてくださった名作である。
そのあと、高校時代に観た『典子は、今』も評価の高い作品である。
社会的弱者をお涙ちょうだいではなくヒューマニズムという視点で取り上げてくださった。

もうこんな時間だからできないけれど、あらためて松山さんが作詞をされた『典子は、今』の主題歌をギターで弾いてしのびたい。

こころからご冥福をお祈りいたします。

映画「LISTEN」2016/06/10 23:30:57

Most of the scene does not have a silent, sound. But not a silent movie. Language is sign language, deaf who can not hear the ear is the art documentary that play their own "music".

ほとんどの場面が無音、音がありません。しかし無声映画でもありません。言語は手話であ り、耳が聞こえないろう者たちが、自ら「音楽」を奏でるアートドキュメンタリーです。

今晩、妻、共通のかけがえのない友人と映画「LISTEN」を観てきました。
ひとことだけあげるなら、すばらしい!!

と、これだけではつまらないので、いくつか書いてみましょう。

全篇通して、ろうのダンサーや俳優さんが手話で語り演じる表現がすばらしい。
米内山明宏さん、野崎誠さん・佐沢静枝さんご夫婦の手話表現、池田大輔さん・華凛さん親子の手話によるダンスや表現が、たとえ手話がわからないとしても、とても息のあった表現と気持ちが客席にいるわたしたちにも伝わってくる。

もうひとつ、おそらく観た人はわからなかったかもしれないが、どう言ったらいいのだろう。昔観た、紙などの端一つ一つに少しずつずらした絵を描き、端をすばやくめくることにより像で絵が動いて見える、パラパラめくると動きが重ねられた紙を使って作られるアニメーションのように、手話、手の動きがまるでアニメーションのように見えるのだ。
映画用カメラはいろいろあるのだけど今作はどういうカメラを使っているのだろうか。

わたしもああいうような、なめらかな手話ができる表現者になりたいとこころの底から強く感じさせられている。

矛盾を抱えたアメリカ社会だが2016/02/29 23:56:30

http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/29/academy-awards-2016-racism-remarks_n_9345556.html
ついこのあいだ、アメリカ映画最大の賞、アカデミー賞について2年連続で20枠の俳優部門を白人が占めたことが人種差別ではないかと議論になった。たしかに、昨年末に観た『スター・ウォーズ フォースの覚醒』でも黒人俳優が出てきたが、(過去にはエピソード5・6 ランド・カルリシアン役ビリー・ ディー・ウィリアムズがいるけれど)アジア系はほとんどいない。『スター・トレック』にはアジア系がいたが。もっともこれは未来に設定を置いている。

昨年末からわたしは朗読に加えてもっと手話を含めた表現に取り組んでみたいといろんな人に相談したり舞台を見たりしている。
現実社会には多様な人がいて、男も女も若い人も年老いた人も、そして障がい者もいるしその障害者もさまざまである。LGBTもいる。
もちろん現実世界だってそう単純じゃない。さまざまなバリアや差別がある。なのに映画の世界では人種差別があるのか。

少なくとも夢や希望を与えてくれる映画や舞台の中で、多様な人の存在を認めていくということが欠けているのかと思うと、やりきれない思いである。

まもなくスーパー・チュースデーを迎えるアメリカ大統領選挙。
民主党のヒラリー・クリントン以外はみな男性で、黒人男性は一人もいない。
アメリカ社会がまだまだ矛盾をかかえているということだ。

“白すぎる”オスカー、現地の温度感は?改革案にも賛否両論
http://www.oricon.co.jp/special/48688/

たしかに改革変化には時間がかかる。
だがいつまでもこのままでいいとは思えない。

アメリカでさえこういう問題と向き合っている。
さて。日本では障がい者が表現者として活躍する場がはたして評価されているだろうか? バリアが少なくなっているだろうか?

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観てきた2015/12/26 23:45:02

年末最後の話題作、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を、妻と一緒に錦糸町で観てきた。

公開されたということはもうネタバレなど気にする必要はないだろう。しかしこれから観るという方のためにストーリーも含めて多くは書かないことにします。

しかし、第1作『新たなる希望』を観たときにはわからなかったけれど、クラシック3部作、時系列的にはその前の時間を描いた3部作と続けて観てみると、ジョージ・ルーカスがこのシリーズで描きたかったことがみえてくる。親子の対立と相克、師と弟子、というように。

はじめて3Dメガネをつけて観た感じは、そんなに変わらないなあという印象。
映像的にはCGは違和感がなかった。以前に観た『スーパーマン』ほど、不自然な動きもなかったし。

なにより、ジョン・ウィリアムズさんの音楽がよかった。次回は別の方が作曲されるそうだけど、やりづらさはもちろんあるだろうが、できるかぎり可ウィリアムズさんのイメージをこわしてほしくない。

さて。
今回、最後にちょっとだけ出てきたルーク・スカイウォーカーがどんな活躍をするのだろうか。

人間の尊厳を、自分の人間性を守る2015/12/20 21:43:44

今年もいろいろ映画を妻と一緒に観ることができた。
まだひとつ残っているけれど、今日、『杉原千畝』を観てきた。

ご存じない方もいらっしゃると思う。
第2次世界大戦中、ナチスドイツの迫害から逃れるために、在リトアニア日本総領事館に多くのユダヤ人難民がやってきた。リトアニア総領事だった杉原千畝は、本国の意に反する行為とわかっていたが、苦難の中にある難民を見捨てることができず、計2000人以上のポーランド系ユダヤ人難民にビザを発給した。一方で杉原は、戦時下にあるソ連(現ロシア)やドイツの情報を入手し、本国に戦争を思いとどまらせるよう、働きかけてもいた……。

いつの世にもある、個人と組織の相克。組織の中にあって個人を主張するのはたやすいことではない。映画の中で、ナチスドイツ兵が多くのユダヤ人を射殺する場面がある。「立て」と「伏せ」を交互にユダヤ人に命じて立ち上がったユダヤ人を見境なく乱射して射殺を命じる上官。何回目かの命令のときに、ある兵士がためらい射撃できない。上官はその兵士に「臆病」となじる。

杉原さんもおそらく、ためらっただろうし迷っただろう。だが目の前にいる難民を見捨てるわけにはいかなかったのだろう。個人と組織、国家の相克の場面に立たされたとき、はたして国家に従うべきか、それとも人間の尊厳を、自分の人間性を守るべきか。

難民の問題は、70年がたった今も変わらない。
シリア、イラクの人たちがヨーロッパに逃げてきた。だがあのフランスで起きたテロのために、これ以上難民を受け入れるなという声が欧州各国であがり、アメリカ大統領選共和党候補のドナルド・トランプ氏が「イスラム教徒の入国禁止」と発言するまでになっている。

そしてイスラエル。
あれだけ苦難を味わったはずの国が、なぜ戦いをやめないのか。それはそのまま中東の各国にも言える。

映画の中でこんなせりふがでてくる。
肌の色も目の色も違うけれど、こころは同じはず。
なのになぜ、争いはやまないのだろう。

わたしはできる限り、人間らしくありたい。他者への思いやりと優しさを失った、後世の人間に恥ずかしいと思われる人間になりたくないし、そういう生涯をおくりたくない。少しでも、よかったと言える、誇りに思える人生でありたい。

思い出のスクリーン2015/10/29 23:34:58

先日神保町の古本店をブラブラ歩いていて、映画パンフレットをおいてあるお店にふらりはいったときのこと。
薄汚れた、しかしどこかで見覚えがある作品のパンフレットが目に飛び込んできた。

『愛は静けさの中に』(原題 Chidren of a Lesser god)。奥付には昭和62年3月とある。1987年。バブル景気真っただなかのころ、わたしはまだ大学生だった。もちろん聴こえなかったけれどいまほどは重い聴こえではなかったと思う。

かすかに聞こえてくる、冒頭部に流れる静かな音楽と、カナダ・ニューブランズウィックにあるセント・ジョン近くの風景。フェリーポートの甲板に降り立つジェームズ・リーズ(ウィリアム・ハート)の場面にひきこまれた。
原作演劇台本はメーン州を舞台にしているが、そんなことさえ気にならない、自然に囲まれたろう学校。そこで、ジェームズとセント・ジョンのろう学校で掃除係として働いているサラ(マーリー・マトリン)を中心に、ろう者と聴者、男と女の愛を、美しい映像で描いている。本質は障がいではなく、<人間と人間のコミュニケーションの難しさ>だ。

こういう、お涙ちょうだいものではなく、障がいと障がい者をきちんと描いた作品はなかなか日本ではみられない。いい作品はあるのだけれど商業映画になりにくい。
わたしは正直に言って、2020年パラリンピックにはまだ納得していない。
障がい者のスポーツはすばらしいと思う。わたしも卓球をやっているからなおさら感じるが、頑張れとかすごいといった賞賛で終わってしまうのではなく、障がいがあっても、いや障がいがあるからこそ、人生にもチャレンジしたい、そのことが大事なのではないだろうか。人生にチャレンジしたいという思いは、障がいがあろうがなかろうが、変わりはない。
障がいがあるからというだけで「がんばっている」とみられるのは、なにかおかしいと思うのはわたしだけだろうか。

またこの映画のDVDを見たくなってきた。

ペルソナ・ノン・グラータ2015/10/28 23:22:28

昨日買った『エール!』のチケットといっしょにもらってきたのが、『杉原千畝』。

ご存知ない方のために少しだけ紹介すると、第2次世界大戦中、リトアニアで外交官として赴任中、ナチスの迫害から逃れるためにユダヤ難民に、日本通過のビザを発給していた、実在の人物の話です。

主演は唐沢寿明と小雪。

シリア難民などを受け入れる数が少ないと批判されているいまの日本。
いろいろなことを考えさせられることでしょう。

ブログに書いたタイトルは、外交用語の一つでラテン語からの直訳、好ましからざる人物、転じて「歓迎されざる人物」という意味です。
杉原がリトアニアという、日本ではあまり知られていない国に赴任したのは、ソ連に反発するロシア人との親交があったからだという話は、この物語を理解する上で重要なことでしょう。

こういう文化はとても大事にしたい2015/10/27 23:23:16

フランス映画「エール!」の前売り券とチラシ
今日仕事の帰りに、先日フェイスブックで紹介されていたフランス映画「エール!」の前売り券を買ってきた。ついでにチラシももらって、映画のパンフレットと一緒に保存しておこうと思う。

日本から出発した便の機内で『天使にラブソングを』を見たけれど、映画館に入ったという意味でなら、トロントで『スター・トレック/ジェネレーションズ』を見たことがあるくらい。カナダだから英語の字幕はない(アタリマエダのクラッカー!)。でもスタートレックという作品の世界を知っていたからすんなり楽しめた。
それでも映画チケットはそっけない、シート座席と映画館名作品名がプリントされただけ。パンフレットもない、味気ない感じだった。

それにひきかえ、日本の映画館は、映画チラシは置いてある、パンフレットもある、スーベニアも種類がたくさんある、というわけで、映画好きにとっては楽しいことこの上ない。

海外にはない、こういう映画を楽しむ文化は、これからも大事に続けて育てていってほしいと思う。

新作「フォースの覚醒」が楽しみにもなってきました2015/07/19 22:55:59

主日礼拝のことは横において、今日は札幌滞在中の楽しみのひとつにしていた「スター・ウォーズ展 未来へ続く、創造のビジョン」を観てきました。
礼拝中から体調が思わしくなく、呼吸困難と肩や腕のしびれをかんじていたのをがまんして、札幌市南区にある札幌芸術の森美術館でひらかれていた同展を見に行ってきたのです。
東京でひらかれていたのは知っていましたが、忙しく時間が取れなかったのを、札幌での開催を知ってチケットを購入して見てきました。

同世代であるわたしと妻ですが、「スター・ウォーズ」全6作には知識がない妻も、それなりにこの映画の持つ世界、特徴などを知ることができたようです。
記念にと、いい年してストーム・トルーパー実物大人形の前でライトセーバーを振り回すポーズをしたり、作品中のミニチュアをのぞき込んだりと、体調が悪いなかでしたが、十分楽しめたのは言うまでもありません。12月に公開される新作「フォースの覚醒」が楽しみにもなってきました。