二つしかない手2012/12/01 23:03:14

師走に入った。
毎年のことながら、気ぜわしさがわたしを追い立てるようにやってくる。

今日は午後から『朗読のレッスン』。
指名されたパートは思ったよりもうまく読めた。先生からもおほめをいただけてうれしい。

森浩美 著『こちらの事情』収録作品、「荷物の順番」が今期のテキストだが、あらためてこころにしみとおる。

「正文、人は生きていれば色んなことがある。でも、人の手はふたつしかないからね」
「うん、人の手?」
「そんなに多くのことは抱えられないってこと。いくら大事なものを持ってても、もっと大事なものができれば、先に持ってたものは手放さなきゃならない。荷物を持つにも順番があるんだ。欲張ったり、無理をすれば、それは大事な荷物じゃなく、“お荷物”になるだけ。だから今、お前がちゃんと抱えてあげなきゃならないのは家族と仕事……」。

この年になると実感するねぇ。
若いときはあれもこれもと思ったけれど、やっぱり手は二つしかないから、無理はできないし、キャパシティー以上のものは持てない背負えない。

だからこそ守らなくてはならないものをもったら、それをしっかり抱えて守らなくちゃならない。
それが責任というものだ。

2週間後のミニ発表会で与えられたパートは、わたしひとりでやることになった。
気合いが入る。