身の回りやこの星を考える2010/01/28 23:47:32

料理をはじめて2カ月がすぎたろうか。けっこうはまってしまい、レシピをいただいたり、料理本を買い求めたり、スーパーマーケットやコンビニでの買い物でも、いままでなら弁当くらいしか考えなかったのが、食材を買うにしても、必要なものとそうではないものを考慮計算している。

フードを考えるとき、いろいろな視点からみることができるが、なかでも「仮想水」という考え方には目からうろこ、考えさせられた。

「仮想水」(VW=Virtual Water)とは、なんだろうか。
輸入される食べ物をつくるのに、どれだけの水を必要とするか、推定した数値」だという。

ためしに、とわたしはカレーライスをモデルに、「仮想水」を計算してみた。
横にVW基準値(m3/t) 野菜・米などの単位(g、合、本数など) 単位あたりVW量の重量の順で数値を出した。

豚肉     5,900  100(g) 590(単位あたりVW量の重量)
米       3,700   2杯    555
にんじん  183    1本    41.175
たまねぎ  158    3個    113.76
じゃがいも 185    1個   18.5

というらしい。この「単位あたりVW量の重量」の合計が「仮想水」の数値だというのだ。

なるほど。
わたしたち日本に住んでいると、水はあたりまえにあって、無尽蔵だと思いがちだけれど、アメリカやヨーロッパを旅してみて、それは日本だけの話であって、水がないどころか、飲めない水だったり生活に適さない水だったり、ペットボトルに入っている水が売られていたりと、水がさまざまに大きな存在なのだということを意識させられた。

日本は実際、まともに自給できる食べ物というとコメくらいしかない。もちろん九州には豚や牛の生産があり、鹿児島の黒豚、千葉の落花生など、県の名産品として知られているものもたくさんある。だが、牛のえさなど、どこからきているのかご存じだろうか。実は国産ではなく、輸入品なのだという。それを考えると完全な意味での食料自給率は、40%であり、ほとんどが輸入しているものだといえる。

もはや日本は世界の支えなしには食を維持していけないものなのかもしれない。
さらに視点を広げると、大地震で被害を受けたハイチなど、世界でも最貧国と言われる国があり、日本以上に食料問題が切実な国もある、ということを忘れてはいけない。

料理を始めて、主婦や妻の仕事がどんなに大変なことか、強く実感と反省させられた。そしてもてなしのこころに目覚めた。いつかまた、お客さまをお招きしたいし、大切な人にも来てほしいと思う。
さらには、身の回りの問題、かけがえのない、生きものが住む唯一かもしれない、この地球という星を考えていくことにもつながっていく。

あらためて、料理を始めてほんとうによかった。

「仮想水」を紹介しているサイトはこちら。みなさんも試しに、今晩の献立から計算してみてはいかがだろう。
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html