夜間に安心して歩ける国2010/01/26 00:14:35

仕事を終えて翌朝のごはんと弁当の食材を買いに行く。

わたしが住んでいる自宅から、スーパーマーケットまで歩いて10分もかからない。駅までは10~15分くらいだろうか。たしかに暗いけれど、少なくとも身の危険を感じたことはあまりない。

昨日ニューオーリンズでのことを書いたけれど、夜の7時ごろだったろうか、バーボンストリートへフラッと出ようと思って途中のおみやげ店に立ち寄って、一帯の様子を聞いたとき、街の地図を取り出して危険なところとそうではないところを、細かに教えて「絶対に立ち寄ってはいけない」と念を押してくれた。

同じことは1995年にアウシュビッツを訪れる前に泊まったワルシャワでも、地下通路を越えたさきに、麻薬の売り買いをする人がたむろしているところや公園などは、夜中には立ち寄らないように、などと具体的なアドバイスを受けたことがある。

そうそう、RAIDERSがまだロサンゼルスにホームをおいていたころ、ホームスタジアムは、2度のロサンゼルス五輪の開会式で使われた、メモリアル・コロシアムだった。9万人収容できる巨大なスタジアムだが、実はナイトゲームが開催されなかった。なぜかというと、あの一帯は夜間はまったく人気のない、ほとんど誰も出歩かない、危ないところだからだという。かろうじてカレッジフットボールのUSC(南カリフォルニア大学)やUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の試合だけが夜間に行われていた。
昔はロサンゼルスも夜間は出歩きできる街だったそうだが、モータリゼーションの普及と、ロサンゼルスを含む街が鎖のようにつながり、移動するにも車が必要になるなどのために、夜間は街灯も消え、人の出歩きなどできないほどになってしまった、ときいた。

同じアメリカでも、夜間でなんとか出歩きできるのは、ニューヨークのマンハッタンくらい。タイムズスクエアから、ポルノショップや映画館を横目に、日本食レストランへ食事を取りに行ったこともある。とはいえ、メジャーリーグのNew York YANKEESやMETSのナイトゲームのあと、地下鉄に乗って帰ることはできるけれど、球場を外から見たいと思ったら、日中がいいだろう。
オークランドに戻ったRAIDERSのホームスタジアムは、目の前にBARTという、サンフランシスコを中心にオークランドなど北カリフォルニアを結ぶ地下鉄の「オークランド・コロシアム/オークランド空港」駅で降りればすぐ目の前。けれども試合が終われば、ほとんどのお客さんはまっすぐBARTで帰る。カナダのトロントは夜中でも市の中心部は安心して歩ける。銃の所持が禁止されているので、アメリカほどに危険な国ではない。

とりとめのない話が続いてしまったけれど、つまり、夜中に安心して歩けるというのは日本くらいなものだ、ということをあらためて痛感する。
もちろん、わたしが住んでいるところでも、痴漢やスリやバックを強奪するなど、事件がある。

昨今の不況から、夜間にシャッターが下りた商店街を歩くと、この国はどうなってしまうのだろうと不安になる。
夜間に出歩くことがけっしていいとは思わないけれど、少なくとも安心して歩くことができる国であってほしいと、思う。