便利なものはかえって不便?2012/09/20 23:23:17

18世紀や19世紀のころの、欧州の羽毛ペンなどで書かれた手紙を見たことがある。内容がわからなくても、流れるような字体や文字がとてもきれいだった。
時代が下って、いまの外国人が書いたなど手書きの手紙をみると、字が読みにくいなあと感じたものだ。タイプライターなどの影響だ、と聞いたことがあるが、実際はどうなのだろうか。

メール利用で「漢字書く力が衰えた」66%
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120920-OYT1T01239.htm?from=y10

文化庁が発表した「国語に関する世論調査」によると、パソコンやケータイなどのメールのおかげで文字を正確に書く力が衰えたと感じる人が66%を超えたという。
また手で文字を書くこと自体を面倒だと感じる人も40%を超えたとも。

うーん。
わたしもたまにではあるが、終日文字を書かない日もある。
さすがに面倒だと感じたことはないが、それでもこういった調査結果を見ると妙に納得できる。

便利なものだからつい、漢字変換や文字入力などに頼ってしまい、自分の手や頭で考えることが少なくなるか面倒くさくなるか。

これはほんとうに大きな問題である。
これから大きくなる子どもたちは、極端な話、生まれた時にすでにパソコンやケータイなどがあってメールもあたりまえに使いこなせる環境にある。そういったなかで文字を書く、読むといった、頭を使う機会がどれだけもてるか。文字を書くという行為に接することができるか。
大人の姿勢や態度が重要なことはいうまでもない。

使うなとも使っていけないとも言えない。そばにあるのなら使ってみたいだろうと思うのが自然だからだ。

まずは率先して大人がみずから手で文字を書くこと。子どもはそれをみて育つ。

しかしまあ、なんとわたしたちは便利なようでいて、かえって不便なものに囲まれていることだろう。