もっと増えてほしい2010/11/30 23:35:37

今年9月の「コスモス朗読会」、わたしの出演した舞台とその前の手話通訳者をつけた舞台を収録したDVD。制作で、聞こえない人のために字幕をつけていただくこともお願いしたが、字幕をつけるにあたってせりふ台本と話す場面をぴったり寸分コンマの狂いもなく字幕が画面に出なければならない。音声もなくナレーターだけならそこまでする必要がないけれど、今回は舞台。しかも後世まで残る(?)記念碑的作品にしたい。というわけで11月中の完成が難しくなり、年末までとはいかなくても12月中に完成させたいと思っている。

そんななか、先週日曜日のある全国紙に、プロの製作した映画の一部に中学生が字幕をつくったという記事が紹介されていた。
へえ。アマチュア映画ならともかく、プロの劇場公開される商業映画に、一部とはいえ中学生が字幕をつけるとはねえ。とてもいい試みだ。

字幕がつけられたのは、12月4日から全国公開される『武士の家計簿』。加賀藩で会計係として主君に仕え、家計節約で家を建て直した実在の武士の家計簿記録などを基にした作品だ。

新聞記事によれば、この映画制作にかかわった住友商事(東京都中央区)が2008年から、近隣の小中学校と協力して行っている地域貢献事業の一環だそうだ。東京都中央区晴海中学校の2年生、約30人がバリアフリーを学ぶひとつとして字幕づくり、視覚障がい者のための音声ガイドの二つに取り組んだという。
字幕に限ってのみ紹介すると、パソコンで入力すると同時に字幕が画面に現れるシステムを使ったという。
でもことはそんな簡単なものではない。
たとえば「パチパチ」というそろばんの音を表す字幕はわかりやすい。では「カラコロ」というげたの足音は、げたと書かないとわかりにくい、と、アドバイスをした聴覚障害者の男性は語っている。

話をわたしのDVDに戻すと、単に音声や場面に合わせて字幕を出すだけではなく、電気が消える、ドアが閉まる、そういう音は色をつけてくださるらしい。すべては完成してからのお楽しみだけれどね。

実際に字幕をつける作業に挑戦してみたい体験してみたいと思うけれど、タイミングを合わせるのは聞こえなければ難しいといわれたから無理かな。

でも仕事として以前に、障がいのない人が障がいのある人のために、映画の一場面一場面をていねいに見て、バリアフリーとしての音声ガイドや字幕に関心を持ちかかわってくれたら。さらには邦画にも字幕や音声ガイドが増えてくれたら。

DVDをお待ちのみなさま。まことに恐れ入りますが、もうしばらくお時間をください。