こういう出会いはとてもうれしい2020/07/17 22:33:28

黄色いヘルメット
4月から、出勤ではなく在宅勤務で仕事をする日が続いている。……理由はいうまでもなく、新型コロナの広がりのためだ。
以前から在宅勤務については関心があったけれどいざやるとなると、しかも長期にわたると、心身に悪影響が出る。自宅で仕事をするのは上司や同僚の目を気にしなくていい、ということは会話がない状況を強いられることもある。そして誰とも会わないだけでなく一歩も外に出ないこともある。さらには自宅での仕事ゆえに、プライベートとオフィシャルの部分が重なりあいまいになり、長時間労働を招きやすいということもある。もし仮に自宅での仕事の最中に病気なりけがを負ったりしたとしよう。それは労働災害として認められるのかどうか。

昨年から右うでとひじに強い痛みを感じ、いくつかの病院でCTスキャンやレントゲンなどの検査を受けた末、頸椎症と腰椎症の2つと診断された。
在宅勤務が始まってまもなく、自宅から自転車で10分ほどのところにある整形外科クリニックでマッサージ療法を受けることになった。
そのマッサージを終えて腕とひじの痛みを抑える薬を処方してもらい、自転車に乗るときいつも欠かさず使っている黄色いヘルメットをかぶって隣接する薬局に行ったときのこと。
わたしが気づかずに杖をもった女性と軽くぶつかってしまった。
「すみません」と手話で謝った直後、その女性がわたしにこう話してきた。
「わたしの娘もいま手話を学んでいる最中です」

こういうことがあると、在宅勤務やマッサージの痛み疲れが一瞬のうちに吹き飛ぶだけでなく、手話で会話をしたことでうれしさが倍増する。
マッサージ療法で通訳のためにきてくださった手話通訳士とともに、梅雨のうっとうしさ、新型コロナのさまざまな苦痛苦しみが軽くなったような気がした、ひとときであった。