But there's still a long way to go.2017/04/21 22:46:03

But we still have "disability blackface," where 95 percent of television characters with a disability on television are played by able-bodied actors.
You still have the thinking that deaf actors only act in deaf storylines; any story line can feature an actor who is deaf. The topic needs to be part of our conversation.

Marlee Matlinさんというと、大学生のころに観た映画「愛は静けさの中に」を思い出す。原題「Children of a Lesser God」はもともと舞台作品として書かれた、マーク・メドフの作品だが、この作品の映画に出演したことで世界的に有名になり、映画初出演ながら史上最年少の21歳でアカデミー主演女優賞を受賞した。その後は日本での公開作品が少ないけれども、NFLスーパーボウルの国歌斉唱に手話で出演するなど、日本でもろう者難聴者のあいだで知られている人のひとりである。
Marlee Matlinさんは警察官と結婚されたということだが、たしか昨年、ノースカロライナ州シャーロットでだったか、警察官の呼びかけが聞こえなかった自動車運転中のろう者男性が、無視されたという理由で警察官に射殺された事件があった。ASLレッスンのときにこの話をした記憶がある。
彼女は、ご自身がろう者であり警察官の妻であるという立場で、「聴覚障害者に自らさまざまな法的な権利を持っていること、多くのことが出来ることを知らせる」という活動を行っている。

最初に書いた英文に戻る。
「愛は静けさの中に」(1986)以後、ハリウッドやブロードウェーでは徐々にスクリーンやステージ上でろう者が活躍する場面が増えてきたが、 Things have improved, but there's still a long way to go.「状況は改善されてきたけど道のりはまだ半ば」と、昨年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが直面した「ガラスの天井」以上に、障がい者の前にそびえる壁が高いことを伝えている。
興味深いのは "disability blackface,"という言葉である。
彼女が語っているように、障がいがある役の95%を、障がいのない俳優が演じているということ。黒い顔と言っているのは、障がいのない俳優が障がい者を演じているというウソくささを意味しているのだろう。加えて、ろう者の物語はろう者だけの中でしか生まれないと、一般の人が感じているのも、大きいのかもしれない。

現実世界には障がいのない人とある人が共存していて、いろんな立場がある。けれどもどういうわけか、演劇や芸術の中では障がい者はこういうものだというイメージが固定化されていて、それを逸脱するとおかしい、ということになる。

まだまだ道のりは遠いけど、本当の意味で障がい者と障がいのない人がともにいることがあたりまえの社会になるために、わたしも日々取り組んで行きたい。