耳障りのいい言葉ですませていいのだろうか。2016/10/27 23:06:34

レガシー【legacy】

1 遺産。先人の遺物。 2 時代遅れのもの。「―システム」

昨日のここで『正直言って、こんな状況下で「五輪のレガシー」うんぬんと言われてもすなおに「はいそうですね」とは言えない』と書いた。

いったい「レガシー」、前者の意味で言う「遺産」、好意的な意味で言うなら未来に継承できるというものは、誰が決めるのだろう。逆に言えば、未来の人たちにとって「過去の人がつくってくれたすばらしい贈り物」と思えるのはわれわれが決めるのだろうか。現在生きているわれわれが、未来の人に「贈り物です」といって遺すのだろうか。

たとえば、1932年のロサンゼルス五輪。
1923年5月に開場した、メモリアル・コロシアムLos Angeles Memorial Coliseumはわたしも一度だけ、1992年か93年にオークランドから移転してきたレイダーズの試合観戦で訪れたことがあるが「周辺の治安がよくないから、気をつけたほうがいい」と言われたことがある。それはさておき、32年と84年の五輪でメーンスタジアムに使われたという歴史があるからなるほど、これは遺産といってもいいなあと思える。
もし2020年の五輪会場も、そういう意味で未来にとってもすばらしいと思われるだけの価値があるのかどうか。まだ始まってもいないうちからいうのはどうかと思われるかもしれないが、過去の五輪後に施設が使われなかったり、維持費用などがかさんだりしているという話を聞くにつけ、「レガシー」という耳障りのいい言葉ですませていいのだろうか。

そんな気がしてならない。