まさに歴史に残るアスリートであった。2016/06/04 23:41:23

最近はめったに見ることがなくなったプロレス。「ショー」「八百長」という人もいるけれど、わたしはあれだけの屈強なからだのぶつかりあいはそうそう簡単にできるものだとは思えない。仮に筋書きがあったとしてもそれをこなせる、説得力のある見せ方をするには、それなりに厳しく激しいトレーニングがなくてはと思う。

前置きが長くなったが、元プロボクシング世界ヘビー級チャンピオンだったモハメド・アリ氏(ムスリムに改宗前はカシアス・マーセラス・クレイ・ジュニア)が6月3日に亡くなった。74歳でした。

プロレス以上に見ることがなくなった、プロボクシング。亀田兄弟や最近のボクサーのことはまったく知らないし、ヘビー級チャンピオンについてもわからないけれど、ジョージ・フォアマン、モハメド・アリは小学生だったわたしでもわかる、まさに最強のボクサーだったといっていい。

なんといっても異種格闘技、アントニオ猪木との試合は、40年が経った今でも評価が分かれる試合だが、当時としては奇想天外、誰もやらなかったことをやったという意味でも歴史に残るものだった。

アイリッシュの血をひくアフリカ系アメリカ人として差別と向き合い、公民権運動や徴兵拒否などといった社会的な運動を行い、アトランタ五輪ではパーキンソン病をわずらいながら聖火台に聖火を灯した場面は世界に感動を与えた。

もしかすると、プロレスはともかく、ボクシングでアリやフォアマンのような、圧倒的な説得力のある強さを感じさせるボクサーがいないことが、わたしに興味を抱かせないのかもしれない。その意味でアリはまさに歴史に残るアスリートであった。

こころからご冥福をお祈りいたします。