とても印象深かった言葉2015/12/23 22:47:30

子どものころ、一度だけ年賀で皇居へ行ったことと、札幌五輪(1972)の開会式で昭和天皇のあいさつを聞いたことがあるだけ。別に皇族には関心も興味もないが、今日は天皇誕生日ということで、各紙は1面または社会面などで天皇の記者会見を掲載した。

その中でとても印象深かったのは、やはり第2次世界大戦についての言及だろう。

「平和であったならば、社会の様々な分野で有意義な人生を送ったであろう人々が命を失ったわけであり、このことを考えると非常に心が痛みます」と語られたそうだ。
また、民間人の犠牲が多かったことについても触れて「制空権がなく、輸送船を守るべき軍艦などもない状況下でも輸送業務に携わらねばならなかった船員の気持ちを本当に痛ましく思います」と、声がかすれ想いがあふれたように見えた、と記事は伝えている。

そのお言葉はまさにほんとうに戦争と平和に対するこころからのお気持ちだと思う。

戦後70年は、戦争を経験してきた世代がだんだん減り少なくなってきたということでもある。
わたしも含めて戦争を経験していない世代が半数以上のなかで、未来に何を伝えられるか伝えるか。

過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも目を閉ざす。
Wer aber vor der Vergangenheit die Augen verschliest, wird blind für die Gegenwart.

先日観た『杉原千畝』とあわせて、あらためて強く刻んでおきたい、天皇の言葉だ。