日本語対応手話から日本手話へ2015/10/10 22:55:26

実質あと5週間しかない、福生市文化祭での手話つき朗読『アンネの日記』。
今日も日本手話での表現を、手話通訳士と一緒に考えつくる作業をした。

2007年に『アンネの日記』をやったときは日本語対応手話だったのを日本手話にするのは、ゼロからつくっていく作業だった08年以降現在に至るものに比べると、日本語対応手話の部分を削ぎ落としていく一方で、日本語対応手話と日本手話の違い、さらには日本語対応手話でやった基礎があるから、アジャストしやすいということもいえるかもしれない。

具体的に書いていく。以下、日本語対応手話は対応手話、日本手話はそのままの表記とする。

「いったい、そう、いったい全体」
ここは対応手話では考えるしぐさを入れていた。日本手話では<本当に>という表現を。
「貧しい人たちに使うお金がぜんぜんない」
対応手話では<全部+ない」>と文章通りに訳したが、日本手話では「0%」とした。

どちらが正しいということを言いたいのではない。
わたしはもともとは対応手話から手話を学んだし、声と手話のズレを少なくするにはやっぱり文章通りに表す対応手話がいい。けれどそれではろう者は意味がわからないどころか読み取るのに疲れてしまう。
声と手話のズレをわかった上で、ろう者にも難聴者にもわかりやすい表現を考えていきたい、とあえて、困難を承知の上で日本手話と音声による朗読に挑戦してきた。

対応手話でやったことが、先日の『ラストレター』もそうだけど、いかにわかるように工夫するかということに結びついている。
これまでの歩みや積み重ねてきたものは、無意味どころか、とても大きな成果につながっていると思う。