人生はなんのために2015/10/05 23:13:07

名張毒ブドウ酒事件の奥西死刑囚が死亡 再審請求中
http://digital.asahi.com/articles/ASHB27V75HB2OIPE03G.html

いったい、人の人生はなんのために、誰のためにあるのだろう。
つくづくそう思わせ考えさせられるニュースだ。

89歳で亡くなるまで43年に及んだという、確定死刑囚としての収容期間。そのあいだ、一歩も外の空気に触れることはなく、外の世界で起きていることを知ることも少なかったかもしれない。
いったい、この人の生きた意味は、もし答えられる何ものかがあるなら、なぜ、どうして? と問いかけずにはおられない。

もうひとつ、わたしのこころを強く揺さぶったのは、先月亡くなられた女優の川島なお美さん。わたしとそう変わらない54歳で天に帰られた。

生前はいろいろ批判されることもあったと思うけれど、ご結婚されてすてきな伴侶と人生を豊かに送られたのではないだろうか。テレビ報道で伝えられたように、ご主人が葬儀のさいも妻のために尽くされたことを思うと、言葉にならない悲しみとともに、亡くなってもなお人のこころに何かを遺された、その大きさに胸が揺さぶられる。

わたしも、妻も、いずれはいつになるかわからないけれども、死がやってくることだろう。この年齢にもなると赤ちゃんとなって生をうけた以上はいつかはやってくる死という場面に向かい合わなくてはならない。

葬儀に出ていつも感じるのは、亡くなった人はもう物言わぬ。声を聞くこともなければ姿を見せることもない。葬儀でどうしてほしいとかあれをしてほしいとか言ったとしても、確かめようがない。結婚式ならふたりでいろいろ意見を出し合ってつくるものだから、一緒に分かち合える。
しかし、遺された人が、声を聞くことも姿を見ることもできないその人のために、一生懸命尽くそう、と思わせるためには、生きているときのふだんのかかわりやそれぞれの人生観や生きざまが大きくかかわってくる。

お互いにとってかけがえのない存在と言えるように、なにげない小さいことからの積み重ねが、大きな実となって結ぶのだろう。

お二人の、こころからのご冥福をお祈りいたします。