やさしい愛の手のひらで　今日もわたしは歌おう ――I will sing with a palm of gently love today――

わたしの誕生月、11月に日本武道館で、キリスト教福音派の伝道師、フランクリン・グラハムの集会が予定されているという。

結論を先に言うと、わたしはこれに行くつもりはないし、それどころかこの集会に反対している。
思うのだけど、いつキリストはイスラムの敵になったのだろう。たしかに歴史上、十字軍だとか戦争はあった。でもキリストはイスラムを倒せとはひとことも聖書の中で語っていない。時間的にはムハンマド、イスラム教の創始者はキリストより後の時代だからイエスが福音書の中でイスラムについて言及していないのは当然だ。問題は、イスラムを敵だと言っているのはキリストではなく、われわれキリスト者のなかにあるのではないか？

フランクリンは大量破壊兵器を使ってイスラムを倒せというような言動をしている。1945年８月６日と９日、すなわちヒロシマとナガサキの出来事を知っているなら、少なくともフランクリンの言動には共感できないはずだ。たとえ彼がすばらしい伝道者だったとしても、力があるとしてもだ。
わたしは二元論と善と悪、敵と味方という、対立するものという単純な分かりやすい考え方にくみしないが、極端かつ厳しいことを言うと、この集会に対してはキリストを信じるのか、フランクリンを信じるのか、という問いで臨む。フランクリンは教祖か？　あくまでも人間であって伝道者でしかない。そこらへんの伝道者と同じだ。ただ有名で資金力もあるだけにすぎない。だがキリスト教会のなかには、こういうように力ある伝道者だからというただそれだけの理由で、大きな集会を開いたり伝道者を招いたりする。その危険性というか安易さに誰も気づこうとはしない。

あくまでもキリストを信じるのなら、フランクリンの言動をどう考えるか、その一点で、フランクリンの集会に参加すべきではない、という結論にたどりつくはずだ。