日米の文化の違い2017/08/01 23:21:49

日米の文化の違いはいろいろこれまでにも語られたり論じられたりしてきたけど、やはり大きな違いがあるとしたら、転職であるとか人事異動とかいうものもあるかなと感じる。

たとえば日本は会社に入社したら定年まで勤め上げるというのが一般的であろう。途中入社も増えてきたけど、まだまだ全体としては定年まで勤めるというのが多い。アメリカでは異なり、途中入社も転職も多い、というかあたりまえであるという。

と、こんなことを書いたのは、米国東部時間7月31日午後4時(日本時間8月1日午前5時)のトレード期限直前に、メジャーリーグの移籍が決まったという報道があった。日本人選手の移籍はダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ→ロサンゼルス・ドジャース)、青木宣親(ヒューストン・アストロズ→トロント・ブルージェイズ)。

たしかに日本の場合、移籍というのはネガティブなイメージがある。もといた球団で居場所がなくなったりいらなくなったりしたから放出された、というふうに本人はともかく周囲が考えてしまうこともある。ところがアメリカではそういった考えはなく、元球団にとっても移籍する球団にとっても必要とされているかどうかだけなのだ。

もうひとつ、メジャーと日本の違いを感じさせるのは、選手はどういう立場なのかということだろう。
日本だったら所属球団に雇用されているという考えだ。ただプロ野球という特殊な能力があって、球団に属しているという考え方だろう。そのへん、一般企業の就職と似ているかもしれない。
メジャーはあくまでもメジャーリーグという組織であって、トロントにしろニューヨークにしろマイアミにしろサンディエゴにしろ、リーグに所属している、だからテキサスからロサンゼルスへ、というのはいわばプロ野球選手がメジャーリーグのテキサス支社からロサンゼルス支社へ行くという感覚なのだろう。加えてそこにプロ意識があるから、選手は必要とされているから行くのであって、プロなら当たり前、という考え方なのだ。ダルビッシュも青木も、「こっちではそういうこと(移籍)は起こりうるし当たり前」と理解している。請われて行くのだから当然、とも。

文化や考え方の違いだから、なかなか理解しにくいされにくいものだけれど、ドジャースタジアムでダルビッシュが、ロジャースセンターで青木が、活躍すればロサンゼルスやトロントのファンも喜ぶだろう。
少しでも、移籍=ネガティブ、ではなく、ポジティブな目でみる意識が広がればいいなと思う。