その波にのみ込まれないように2017/01/23 22:43:27

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任してまもなく、トランプが就任式の人数を少なく見せた、などと、メディアを批判する発言を繰り返している。
日本でも安倍晋三首相が先日の所信表明演説で「プラカードを掲げても何も生まれない」と発言したことに対して、民進が指摘、抗議し、安倍首相に注意をするという報道が出ている。

たしかにプラカードそれ自体なら子どもでもやっていいことかどうか、わかることかもしれない。
けれど、トランプにしても安倍にしても、なぜ自分が批判されているのか、それ以前に自分がどういう立場なのか分かっているのだろうかという疑問を隠せない。

一般人ならともかく、大統領も首相も、公人であり、アメリカ合衆国、日本国のトップである。権力者というのは権力があるぶん、国民や他国から批判をされても仕方ない、というか批判されるのが仕事でもあるのだ。どんな国のどんな政治家でもそうだけど、批判も仕事のうち。独裁者であればなおさら反対者がいて、それを押さえ込もうと、人権やさまざまなかたちで抑圧しようとし、それに対する抵抗ももちろんある。
アメリカも日本も、民主国家であるならなおさら、権力に対する批判やいろいろな声を、たとえ納得できない甘受できないとしても、寛容であれとは言わないにしても、自分たちとは異なる立場の人に対しても恨み言や批判は言うべきではない。

不寛容な世の中にあって、敵をつくりあるいは自分と異なる立場を攻撃することがまかり通る。なんとやっかいなことだろう。
なかなか難しいことだけど、わたしたちもまたその波にのみ込まれないように自戒していきたいものだ。