しばし考えてみた。 ― 2017/01/03 23:47:08
正月休み最終日。
妻と一緒に東京ドームへ、第70回アメリカンフットボール日本選手権ライスボウルを観に行ってきた。
今年の対戦は学生代表が関西学院大学ファイターズ、社会人代表は富士通フロンティアーズ。2年ぶりのライスボウルでの対戦である。
http://ricebowl.americanfootball.jp/wp-content/uploads/2017/01/記録はこちら.pdf
試合結果は、13-30で富士通が勝った。
前半は関西学院大学が無得点のままに対して、富士通はテンポよく攻撃を進めて第1クオーター13点、第2クオーターも7点を挙げた。後半に入って関西学院大が第3クオーター6点、第4クオーターに7点を挙げるも、第3クオーターに10点を奪われてしまった。
スタンドから見ていて、これでいいのかなという疑問がわいてきた。
こんなにも学生と社会人の差が開いてしまって、はたして日本選手権と銘打っていいのかという疑問である。
アメリカ人選手が複数いるチームが増えてきた。それもNCAA(全米大学体育協会)トップクラスの大学卒が、である。具体的に名前を挙げるなら、富士通のクオーターバック、コービー・キャメロンはルイジアナ工科大卒。NFL入りまであと一歩だった実力者である。彼のパスフォームはたしかに無駄がない。そして彼と呼吸を合わせる日本人選手だけではなく、自チーム他チーム問わず、攻撃ライン・バックスも守備ラインやバックスにも、アメリカ人と一緒に練習し試合で対戦を重ねてきて、アメリカ人選手に対する恐怖感抵抗感が徐々に少なくなってきて、逆に言うなら日本人選手のレベルが上がってきた。
アメリカ人選手と一緒にあるいは対戦するというのは、アメリカンフットボールのワールドカップや国際試合で、ふだんの国内の試合では経験できない、外国人のパワーやスピードに対応できる力をつけるという意味では大きな意味がある。
そういう国際経験を積むにはいいが、そんな社会人チームを相手に、日本人選手だけでつくる学生チームがどう対応できるか。小手先だけのトリックやスペシャルプレーを出しても、見抜かれるときは見抜かれるし、研究される。今日の試合だって富士通のアメリカ人選手が動きを見破ったプレーを見せていた。
では学生側も思いきって国際経験を重ねるかというと、NCAAの規約や、どのレベルの大学と対戦するかという問題があってなかなかアメリカの大学、単独チームでもオールスターチームであっても現行上日本の大学は対戦できない。こちらが対戦したくてもできないのだ。
かといって学生もアメリカ人を、留学でいいから迎えるとなると、はたしてアメリカ人学生が日本に来てまでプレーしたがるかどうか。彼らにとってはNFL入りが目標であるのにだ。
同じことは社会人にも言える。日本人とアメリカ人ではパス投球でも肩の強さ、ボールのスピードが違いすぎるし、一対一のタックルのあたりの強さもそうだ。いくら慣れてスピードに対応できるといっても、それで日本人選手の出場枠がなくなってしまっては元も子もない。
アメリカ人と日本人を競い合わせるのならともかく、アメリカ人を先発にしてしまうのは日本人選手のレベル向上という観点から疑問もある。
結局のところ、このままでの組み合わせなら、日本選手権としての存在意義が薄れてしまわないか。
そんなことを感じた、今年のライスボウルだった。
妻と一緒に東京ドームへ、第70回アメリカンフットボール日本選手権ライスボウルを観に行ってきた。
今年の対戦は学生代表が関西学院大学ファイターズ、社会人代表は富士通フロンティアーズ。2年ぶりのライスボウルでの対戦である。
http://ricebowl.americanfootball.jp/wp-content/uploads/2017/01/記録はこちら.pdf
試合結果は、13-30で富士通が勝った。
前半は関西学院大学が無得点のままに対して、富士通はテンポよく攻撃を進めて第1クオーター13点、第2クオーターも7点を挙げた。後半に入って関西学院大が第3クオーター6点、第4クオーターに7点を挙げるも、第3クオーターに10点を奪われてしまった。
スタンドから見ていて、これでいいのかなという疑問がわいてきた。
こんなにも学生と社会人の差が開いてしまって、はたして日本選手権と銘打っていいのかという疑問である。
アメリカ人選手が複数いるチームが増えてきた。それもNCAA(全米大学体育協会)トップクラスの大学卒が、である。具体的に名前を挙げるなら、富士通のクオーターバック、コービー・キャメロンはルイジアナ工科大卒。NFL入りまであと一歩だった実力者である。彼のパスフォームはたしかに無駄がない。そして彼と呼吸を合わせる日本人選手だけではなく、自チーム他チーム問わず、攻撃ライン・バックスも守備ラインやバックスにも、アメリカ人と一緒に練習し試合で対戦を重ねてきて、アメリカ人選手に対する恐怖感抵抗感が徐々に少なくなってきて、逆に言うなら日本人選手のレベルが上がってきた。
アメリカ人選手と一緒にあるいは対戦するというのは、アメリカンフットボールのワールドカップや国際試合で、ふだんの国内の試合では経験できない、外国人のパワーやスピードに対応できる力をつけるという意味では大きな意味がある。
そういう国際経験を積むにはいいが、そんな社会人チームを相手に、日本人選手だけでつくる学生チームがどう対応できるか。小手先だけのトリックやスペシャルプレーを出しても、見抜かれるときは見抜かれるし、研究される。今日の試合だって富士通のアメリカ人選手が動きを見破ったプレーを見せていた。
では学生側も思いきって国際経験を重ねるかというと、NCAAの規約や、どのレベルの大学と対戦するかという問題があってなかなかアメリカの大学、単独チームでもオールスターチームであっても現行上日本の大学は対戦できない。こちらが対戦したくてもできないのだ。
かといって学生もアメリカ人を、留学でいいから迎えるとなると、はたしてアメリカ人学生が日本に来てまでプレーしたがるかどうか。彼らにとってはNFL入りが目標であるのにだ。
同じことは社会人にも言える。日本人とアメリカ人ではパス投球でも肩の強さ、ボールのスピードが違いすぎるし、一対一のタックルのあたりの強さもそうだ。いくら慣れてスピードに対応できるといっても、それで日本人選手の出場枠がなくなってしまっては元も子もない。
アメリカ人と日本人を競い合わせるのならともかく、アメリカ人を先発にしてしまうのは日本人選手のレベル向上という観点から疑問もある。
結局のところ、このままでの組み合わせなら、日本選手権としての存在意義が薄れてしまわないか。
そんなことを感じた、今年のライスボウルだった。
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