球団側や周囲に大きな責任があるのでは2016/03/15 23:35:28

野球賭博は“勘違い”したままの一部選手が引き起こす
http://diamond.jp/articles/-/87886

海の向こうのMLBと、こちら日本のNPB、それぞれ開幕が近づいてきた。野球ファンにとっては待ち遠しいかぎりだけれど、ここにきてNPBファンに冷水をあたえるような、野球賭博事件。昨年巨人の選手3人が解雇無期失格という重い処分を受けた。
ところが開幕直前になって、また野球賭博にかかわっていた話が出ただけではなく、試合中の円陣を組んで声をかける選手に、試合に勝てば円陣に参加した選手が声を出した選手に数千円を払うという。

巨人、阪神などの球団は「験担ぎ」だといい、一般企業でも上司や会社がモチベーションを高めるためにお金を出すことはあるではないか、とあるプロ球団のOBはいう。たしかに一般企業でもそういうケースはあるだろうけれど、ちょっと違うのではないか。
少なくともプロ野球は興行であり、プロという高度な野球の技術を見せて勝ち負けを競うものだ。そして観客は高いチケット代を払ってそれを観に行く。
そこに金銭のやりとりがあったら、見る人は疑問を感じるのが普通の感覚だろう。たとえ験担ぎだとしても。

はじめにあげた、ダイヤモンドオンラインの記事では、スポーツ選手は総じて勝負ごと、賭け事が好きだという。けれど自分がかかわっている、やっているスポーツ以外のことであって、自分がやっているスポーツなら当然、人の何倍も練習を重ねて鍛錬して高い技術を身につけている、それだけの覚悟と努力をしているから、自分のかかわっているスポーツで自分たちを対象に賭け事をするのは、やっぱりプライドがゆるさないはずだ。先日引退したNFLのペイトン・マニング(テネシー大卒)だってそうだったと思う。当然NFLは八百長や選手間の賭け事には厳しい。

ダイヤモンドオンラインの記事に戻るが、プロ入りするにしても社会人野球経験者と学生野球、記事では高卒選手では違った印象をもったらしい。
もちろん高卒選手が全てそうだというわけではないけれど、同じプロに入るにしても、プロという特殊な社会だからこそ自分たちのプレーでお客さんが集まり、逆に言えば自分たちの高い選手報酬はファンが払うお金から来ているという自覚を、いきなり華やかなプロに来る学生野球出身者よりは、社会人野球と一般企業での就業経験で身につけた社会人野球選手のほうがはるかに持っているのかと思う。
このへんはアメリカにはない社会人野球というもののメリットなのかもしれない。アメリカの場合は高卒選手も大学卒選手もいるけど、社会人野球というジャンルは存在しない。

しかし、高卒大学卒でプロ入りするのが悪いということを言いたいのではない。
わたしも学生野球からプロ入りして素晴らしい成績をあげたプロ選手がいることを知っている。
問題は、そういう社会人としての常識やプロになるということはどういうことかを、きちんと教えられなかった、球団側や周囲に大きな責任があるのではないだろうか。