耳が聞こえない人が感じている5つのこと2016/02/03 23:13:18

みんなに知って欲しい、耳が聞こえない人が感じている5つのこと
http://www.huffingtonpost.jp/shari-eberts/i-wish-everyone-knew-about-hearing-loss_b_9136098.html?utm_hp_ref=japan
原題はHearing health advocate, board member, avid Bikram yogi
(注)<>内は引用。それ以外はわたしのコメント。

<1. 耳が聞こえないというのは、とても疲れること

耳の聞こえない人にとって、聴くというのは仕事です。これを理解してもらうのは難しいかもしれません。耳の聞こえる人にとって、それはとても自然なことだから。(中略)耳の不自由な人は、聴こえた音をつなぎあわせて、会話の文脈にあう単語やフレーズに変えていきます。しかも、この作業をしている間も会話は続いています。とても大変な作業なんです。>

わたしもそうだけど、音声会話を聞き取る作業は、とても苦痛と疲労を伴う作業である。
聴こえている人は聞き分けているのだろうが、わたしにしてみれば、同じようにしか聞こえない。しかも高い音ほどよく響き、逆に低音が聞き取りづらい。
おおまかな単語をつなぎ合わせて「いまこんな話をしているのかな?」とパズルを組み合わせるようにして話を理解していく。けれどパズルが合わないどころか、まったく違うものだったりすると、どっと疲労を感じてしまう。

<3. 補聴器は、眼鏡のように動いてはくれない

眼鏡をかけると、ぼやけた画像がくっきりと鮮明に見えるようになります。でも補聴器は違います。補聴器は音を増幅してくれますが、音は大きくなるだけで、必ずしも鮮明になるわけではありません。時には、声と雑音を識別できず、冷蔵庫やエアコンの音を拾って大きくすることもあります。そうなると、ますます聴くのが困難になります。>

これもまさにぴったりあてはまる。
わたしはコンタクトと老眼鏡を組み合わせてタブレットや聖書を読むようになってきた。これらは文字や画像を鮮明に見せてくれる。わたしの周りでも補聴器はメガネと同じような効果があると思っている人が多いが、わたしのような感音性難聴は鼓膜からさき、脳につながる聴神経が機能しないため、補聴器をつけても限度があり効果は十分得られない。音が大きくなるだけでしかない。わたしは職場でのランチタイムには食堂内の喫茶店に行く。だがそこで手話のできない聴者と話をすると、向かい合っている聴者だけではなく、わたしたちの周りの聴者の話し声までもが補聴器に入ってしまい、識別や聞き分けができなくなる。そして疲れてしまう。
会話ができたとしても、向かい合っている人とそれ以外の人の声がごっちゃまぜに聞こえるために、聞き取りに困難を感じてしまう。
ランチを終えて職場に戻る。食堂よりは静かな環境に慣れてしまうと、食堂で聞こえた騒音や喧騒が、かえって耳に残ってしまい、睡魔や疲労を招く。そうして、耳が聞こえない人が感じていることを知らない人から見れば「たるんでいる。なまけている」という目でみられてしまう。

大事なポイント。
<★耳が聞こえないというのがどういうことなのかを伝えるのは難しい。はっきりと話せないし、大きな物音に敏感になります。コミュニケーション量の多さに疲労困憊してしまうこともあります。

★難聴は目に見えない。だから、誤解されたり、軽視されたり、無視されたりすることさえあります。時には身近な人たちからも。

★聞こえないというのはどういうことなのかを理解するかしないかで、考え方が大きく変わると思うんです。だから難聴について、この5つのことをみんなに知ってほしいと思っています。>

ぜひ多くの人が、少しでもわずかでも、聞こえないということはどういうことかを理解してもらえたら、この世の中のコミュニケーションは、変わってくるのではないだろうか。