この世界は狭い考えにおさまりきれないはず2015/06/18 23:39:35

こんなにも美しい夕焼け
佐藤優さん、元外務省官僚で同志社大学神学部卒。
 
現代日本を特徴づけるひとつに「反知性主義」のまんえんがあると、佐藤さんが書いていらっしゃいます。
「反知性主義」ってなんだかわかりますか?
彼によると 「実証性や客観性を軽蔑もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」と定義づけられます。

キリスト教のなかにも残念なことに、この「反知性主義」、さらには「この世は善と悪の戦い」神と悪魔の戦いだ、という二元論がひろがっています。
それがあのIMMや油まき事件やいろんなできごとの根っこ背景になっているのです。
世の中はそんなに簡単単純じゃない。なのに複雑分かりにくさがますます広がりグローバルになっていることに抵抗したり、納得しがたいという思いから、てっとり早く多くの人をひきつける、反知性主義や二元論で聖書や人生や社会を理解しようとしている。その誤りに気づかないまま、ああいう問題を引き起こしては、知らん顔ほおかむりをしているのではないでしょうか。
余談だけど、どうやらIMMか彼らに心酔した教会の人たちが、福岡県で神社を破壊したり石像を損壊したりしているという報道もあります。

では、反知性主義に対する処方箋、対策はどうすればいいのか?

佐藤さんは3つをあげています。
実証性、客観性を重視する習慣を身につけること。
外国語能力を高めること、さまざまな人の知的営為から学び取ることすなわち、読書だ、と。

はじめのことについては、教会で説教を聞いてそのままうのみにしないで、客観的に考えてみる、自分なりに考えること。牧師や信徒と対話してみること。
2つ目はわたしの場合なら、手話で話せる能力を高めればいいかもしれない。
さまざまな人の知的営為については。
ノンクリスチャンの人ともかかわりをもち、できればキリスト教以外の一般書や小説も読むといい。

聖書には「神がこの世をおつくりになられた」とあります。 
ならば、この世界は人間の考えである反知性主義や二元論におさまらないのだから。
もっと広がりのある豊かなものであるはずだと、わたしは確信しています。