長くやっていくということは2015/05/22 23:16:00

オークランド・レイダーズ一筋、どんなに弱かったとしてもこのさきもずっとレイダーズしか応援する気がないわたしにとって、他NFLチームで、ひいき選手といえば、ニューオーリンズ・セインツのQBドリュー・ブリーズしかいない。

Drew Brees: Playing until 45 might be 'overzealous'
http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000493753/article/drew-brees-playing-until-45-might-be-overzealous

1979年1月15日、テキサス州オースティン出身、パデュー大学から2001年、サンディエゴ・チャージャーズに入団、2006年からニューオーリンズに移籍した。今年でプロ15年目。
6フィートちょうど。日本人選手よりは大きいけれどNFLレベルとしてはそれほど大きくないサイズのからだで15年も、しかも守備選手からいの一番にヒットの目標とされるクオーターバックというポジションをプレーしてきた。
なぜ彼を応援するのかと聞かれれば、やはりわたしがそうであるように恵まれないサイズで奮闘していること、試合前のチームメートを鼓舞しハッパをかける、チームの名物でもあるその姿にひかれるのだ。

だが、競争社会であるNFLで長くプレーしていくということは、当然生き残った選手は自分より年下が多くなるということでもある。彼にしても同じで、同期入団選手はもう何人もいないはず。スーパーボウル優勝メンバーだってそうだ。
オークランドも、ハネムーンで観戦したときのメンバーから、何人かが入れ替わったり引退したりしている。プロスポーツはそういうものでもあるのだが、では生き残ってきたベテラン選手は、いったいどうやって新しいシーズンを迎えるのだろう。

もちろんプロの世界だから、力がなくなったり、まだ先発選手としてやれる力があってもチーム事情やヘッドコーチの考えなどで、ベテランが控えに回ったり新人選手にとって代わられたりすることは珍しくない。さきにも書いたように、クオーターバックというポジションは守備選手が真っ先にタックルを狙ってくる。チームの司令塔であり、攻撃のみならず、チーム全体の浮沈を左右するポジションであるから、当然先発を務めたいと思っている控え選手がいるし、先発選手にはそれを務めるだけの、チーム全体からの信頼がなくてはならない。もちろん先発選手だってその座をやすやすと譲り渡す気はないだろう。それがプロというものだ。

"That's good. That creates a sense of urgency. And I like that. Because it kind of takes me back to basics, too," Brees said. "All of a sudden I have to communicate and verbalize a route or a concept or a thought process in regards to something, so it just reiterates it to me, hey, what were the origins of this route and how have we developed it over time and how has it evolved? How have we gotten to this point?"

「基本を見直すということが大事」という言葉が印象的である。
自分が生き残るために培ってきた技術がなんであったか、それをどう応用し発展させてきたか、それを再確認するとともに、次代若手選手に伝え、NFLで生きていくとはどういうことかを伝えていく。もちろん自身もチームのために、球団がある街の市民のために、ファンのために、家族のために、ふさわしい成績を残さなくてはならない。

これはなにもNFLだけに限った話ではない。崩れつつあるとはいえ、まだまだ終身雇用に近い形態が多く、定年まで勤め上げることが多い日本のサラリーマンにとってもひとごとではないだろう。
わたしもいずれは会社を辞めるときは来る。どういうかたちであるかはわからないけれど。できれば定年までいたいとは思うが。
そのとき、後に残った人に何を伝えられるか。何を残したといえるか。

自分の来し方、このさきを考えさせられたことだった。