過去を見つめること2015/03/16 23:08:48

毎週月曜日はASLレッスン。
日系3世の彼とは、真理子さんがご存命のころに一度お会いしたっきりで、まさか昨年レッスンをお願いするときに「どこかで会ったよね」と話が弾むとは思わなかった。それほどろう者難聴者の世界は狭い。

ふたりとも年が近いこともあって共通の話題がとても多い。いまはフットボールはオフシーズンだが、フリーエージェントで移籍する選手の話や4月にあるNFLドラフトの話など、いつも盛り上がっている。

そんななか、3月ということで自然発生的に大震災と東京大空襲、8月にあった2つの原爆投下の話が出た。
大震災当時、彼はアメリカに帰っていた。正確には日本を出発直後に大震災が起きた。アメリカでも大きく伝えられた大震災。日本に戻ってくるときはとても心配だったそうだ。
今年は第2次世界大戦終結日本とドイツの敗戦から70年目。
3月の東京大空襲、広島と長崎の原爆投下、いまも混迷と戦闘が続いている中東。
東京大空襲と原爆投下について、なぜ東京と広島・長崎が狙われたのか、知っている限りの知識と学んだことを、ASLと日本手話を交えて彼に説明した。先日シブヤン海で見つかった戦艦武蔵についても。

この時期、学生はスキーツアーなどによく行くらしい。試験やレポート提出を終えたり、就職活動を終えたりして時間があるのだろうか。この日もレストランにはスノーボードやスーツケースを入り口において食事に興じる大学生と思しき若い人の姿を多く見かけた。
それはそれでいい。わたしももし若かったらスキー旅行に行っていただろうし、彼らが遊んでいる一方でわたしたちは働き学びと交わりをしているのだから。彼らを非難するつもりはない。
けれど、いまこうして食事をしたり会話をしている一方、世界のどこかでは食事どころかその日の暮らしもままならない人たちがいる。宗教や戦争の暴力で抑圧され、明日も知らぬ暮らしの中にいる人がたしかにいる。
彼とわたしはほとんど同世代だからおぼろげながら戦争を知っている。
スキー旅行に行く若者が悪いというのではない。いまこうして幸せな暮らしができていることを感謝しつつ、幸せな暮らしをおくることができない人たちがいて、かつて日本もそういう時代があったことを知る。目を向ける必要があるのではないだろうか。

いろんな学びができた。いつもASLの学びはとても楽しく充実している。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
今年のスーパーボウル優勝チームは?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://todaywesonghands.asablo.jp/blog/2015/03/16/7592188/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。