13年ぶりのアルバム2014/11/24 23:20:55

海援隊の曲について何度もここで書いたが、先月、彼らの最新アルバムを購入した。海援隊の新作アルバムはなんと13年ぶりのことだという。

『去華就実~花散りて次に葉茂り実をむすぶ~』というタイトル。
海援隊のアルバムにはどちらかというと漢字のタイトルが多い。初期のアルバム『望郷篇』『風雲篇』、彼らの初めての日本武道館のコンサートライブアルバム『一場春夢』、「贈る言葉」収録の『倭人傅』、解散ライブアルバムの『始末記』、全曲集『航海誌』など。もちろんカタカナだったり英語タイトルだったりもあるけれど、海援隊はやっぱり漢字タイトルがしっくり合うなあと思う。

このアルバムで好きな曲を挙げよと言われたら、わたしは迷わずDISC1-07「そうだ、病院へ行こう」、09「フォークソング」、DISC2-02「思えば遠くへ来たもんだ~故郷離れて四十年~」だろう。

「そうだ、病院へ行こう」はたぶん、武田さんの心臓手術などの経験が反映されているのだろう。病院へ行くというのはやっぱり心細いしつらいし、いやなこともあるだろう。「どこかにあるはず悪いとこ」と、病気と向き合う覚悟姿勢を歌っている。たしかにわたしもだんだんそういうことを意識する年齢にさしかかってきた。若い時のような元気いっぱいとはいえない。そういう自然体で歌をつくっていることに共感する。

「フォークソング」、海援隊は売れない時が長かった一方、ヒット曲もある。芸能界そのものが浮き沈みの激しい世界だから、「ドジな恋をして」「ヘタクソな歌の詞を書いた」ら「歌うたう時 僕を忘れて僕等になれた」と、歌が持つ力を描いている。たしかに売れなかったとき、つらい思いもたくさんあっただろう。でも「僕等の歌は僕たちよりも 旅するうちに強くなりました」。歌われ歌い継がれていくうちに人をひきつけていくようになったのだね。フォークソングなんて、AKBやSKEやNMBやHKTやももクロやアイドル歌手に比べたらやっぱり時代遅れなのかな。自分のためではなくて祈ること誰かのために。それが海援隊3人で決めたことなのなら、わたしはどこまでも海援隊を応援したい。

「思えば遠くへ来たもんだ~故郷離れて四十年~」は言わずと知れた名曲。しみじみいいなあと何度も聞いて実感する。この歌が1978年に発表されたときは「故郷離れて20年」だったのがもう40年になった。わたしも今年で北海道を離れて25年。早いなあと感じる。故郷を離れてはじめて感じる望郷の思い。

別にアイドルではなくても新しい歌はついていけない年齢になった。しかしなじんだ曲、こころにしみる曲はいつになってもいいなあと、海援隊を聴きながら感じさせられたのだった。