弱者に対する暴力はあってはならない2014/09/10 23:49:59

全盲生徒負傷、埼玉県警が捜査開始 暴行や傷害容疑で
http://digital.asahi.com/articles/ASG9B3W7JG9BUTNB009.html

8月29日のここで、さいたま市内で起きた、盲導犬に近づいて刺傷を負わせた事件について書いたばかりだが、今度は川越で目の見えない女子生徒が何者かに足を蹴られ負傷した事件が起きた。
女子生徒は8日午前7時50分ごろ、白い杖を頼りに点字ブロックの上を歩いていた際、正面から歩いてきた人が杖にぶつかって転倒。その人物に右ひざの裏を蹴られたとみられる。
別の報道では通りかかった人が蹴りかかった男性に「何をしているんだ」と注意したというが、蹴った人物は終始無言だったという報道もある。

景気が上向いたという実感がなく、今日も日中集中豪雨があるなど天気が不安定なうえにいつまた大震災がくるかわからない。しかも政治経済ともに先が見えないこともあって、みんな口にこそ出さないけれど胸の奥では鬱憤やストレスや言いようのない不満がたまっているのかもしれない。
たまたま今日、地下鉄車内から見かけた光景だが、高校生だろうか。制服姿の若い男のグループが談笑していて、そのうちのひとりが飲んでいたドリンクボトルを自動販売機の上に置いていた。飲み終わったらゴミ箱へ入れるのは子どもでもわかるだろうに。マナーがなっていない非常識な人が増えているのも、こうした社会の反映なのかもしれない。

しかしそのはけ口を、弱者に向けるというのは筋違いもはなはだしい。盲導犬に傷を負わせた事件は、犬にけがを負わせたというわけだが法的には器物損壊罪だという。犬も人間も生きているいのちに変わりないというのにおかしな話だ。
今度は人間を相手にしている。当然警察も暴行、傷害容疑で捜査することになる。

白杖、つえは目が見えるわたしたちにとっては単なる棒にしか思えないだろうが、目の見えない人にとっては命綱だ。自分がいるということ行動しているということを知らせるだけではなく、危険を察知するために必要なものである。以前にも書いたように点字ブロックも目の見えない人にとっては同じように、自分の動く方向場所を知るうえで欠かせない。いろんなデザインがされているのもそのためだ。単なるモノではない。だから駅のホームに設置してある点字ブロックの上に立つというのは目の見えない人の歩行や行動をじゃましていることになるのだ。わたしは常日ごろから意識して、周りに目の見えない人がいなくても、点字ブロックの上には立たないことにしている。

盲導犬の事件も今回の事件も同じ埼玉県内。
埼玉だろうが北海道だろうが、弱者に対する暴力はあってはならない。昨日書いたNFL選手の妻への暴行事件と同じように、とても許されることではない。
一刻も早い解決と犯人検挙を望む。