会話のキャッチボール2014/06/06 23:19:19

会話がテンポよく進んでいく、あるいは会話の流れを変えたいとき、わたしたちがよくやるのは「相づちをうつ」こと。

手話でも相づちはもちろんある。
たとえばあごに親指をつけて人さし指だけを伸ばすのは「なるほど」。
顔の前に上から下へ、手のひらを手前におろすのは下ろすのは「へえ」。

全国の25歳~29歳の男性会社員200人に「イラッとする相づち」をアンケートで集計したところ、

「はいはい」                           44.8%
「ふーん」「うんうん」                    各23.0%
「へえ」                              19.5%
「ああ」                              17.2%
「ええ」                              14.9%

という結果が出たそうだ。

なるほど。
「はいはい」は言われたことをテキトーに聞いている、真剣に聞いていない、こちらの話に興味がないという印象をもたれやすいし、「ふーん」「うんうん」は相手が話を理解しているんだかいないんだか、話し手がつかみにくい印象をもたれるだろう。

手話でもよく相づちを打つ。むしろ聴こえない分だけ相づちを打つことで「聞いていますよ」というサインを相手に送ることができる。
けれどめったやたら考えなしに相づちを打っても、「お前、話聞いてんのか」と逆効果になることもある。
じゃあ、どうすればいいか。
「なるほど」ばかりを言っていてはキャッチボールにならない。
なるほど、といってきたら「そうですよね」と相手の話に肯定的な相づちを返すこと。そうすることが会話のリズムを生み、キャッチボールでも効果的ないい返球ができる。

ひるがえって、手話を身に着ける前のわたしを思い出す。
聴こえないから、聴者の言っていることをわからないままに、相手に二度三度同じことを言わせてはいけない、相手に合わせよう、と「はいはい」などを多用していた。そしてわたしはきれいに普通に話せるから相手も「話が理解できた」と思ってしまい、結局かみ合わなかったり中途半端だったりとフラストレーションがたまってしまう。別れてから「あれ? いまの話、通じていたっけ?」と。

会話は聴者でも難しい。聴こえている人同士でも通じていないことがあるそうだ。
まして聴こえない人にとってはなおさら。
だからこそ、効果的な会話のキャッチボールと相づちができるよう、気をつけたい。