小さいなりに活躍するすべはある2013/08/23 16:02:18

昨日閉幕した、第95回全国高校野球選手権大会。
北海道生まれのわたしは、優勝旗が北国にもたらされるのを期待して準決勝まで勝ち進んだ山形・日大山形、岩手・花巻東を応援していたが、両校とも決勝進出はならず、残念だった。

その一方、わたしがこころ揺さぶられたのは、花巻東の千葉翔太外野手だ。

巨人・川相ヘッド、156センチの花巻東・千葉外野手を絶賛 一方で激辛評価も
http://news.livedoor.com/article/detail/7975180/

わたしと千葉選手はほぼ同じ身長だ。テレビで見たけれど、大きな球児の中でひときわ目立つ。
千葉選手は小さいからだを、どうやって生かすか、いろいろ工夫したのだろう。
甲子園でも準々決勝でファウル狙いのカット打法で粘りに粘り、5打席で相手投手に41球も投げさせ4四球と活躍した。

その活躍ぶりがメディアに注目された直後の準決勝。持ち味である値ファウルをカットする打法が「バント」であり、ルール上では好ましくないとされて、試合に負けてしまった。千葉選手に敗戦の責任があるわけではない。むしろこういったルール適用を大会途中で言い出した審判委員や大会事務局に非があるとわたしは思う。

フットボールでも、小さい選手が大活躍した例は過去にもあったし、いまもいる。

“2度”の奇跡をおこした流浪の旅人 ダグ・フルーティ [生島 淳]
http://www.nfljapan.com/column/8490.html

バッファロー・ビルズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、と、わたしの好きなチームではないが、ただひとつ、CFLトロント・アルゴノーツでプレーしていたことが、彼にひかれる理由のひとつ。先日わたしの家に遊びに来た、妻の友人の夫であるアメリカ人男性は180㌢あるかないか。でもわたしがクオーターバックになって後ろに立ってみると、やっぱり大きいと思う。大きい選手に守られるとどれだけ楽なことか。

もうひとつ、これは現在の例だ。
ニューオーリンズ・セインツでプレーしている、ドリュー・ブリーズ。
バデュー大卒、今年でプロ13年目の彼は、試合前に選手を鼓舞するトークでも知られる。
だが彼のサイズは183cm、95Kg。さきにあげたフルーティーとそんなに変わらない。
しかし、小さいなりに彼らはプロの世界で生き残ってきた。
たとえば大きなラインの向こう側にいるレシーバーの動きを素早く察知するとか、ボールを持ったら後ろに下がって大きなラインからタックルされない代わりにパスを通すといったように。

小さいなりにいろいろな工夫をすることで、プレーの幅を広げていく。
千葉選手の打法もそういったことのひとつだ。
それをとがめるのは、ルール上ではありかもしれないが、やりかたが後出しじゃんけんのようにすっきりしない。

とはいえ、わたしも千葉選手に大きな勇気と希望をもらった。
試合に負けても千葉選手は敗者ではない。
どのようなかたちでもいいから、このさきも野球を続けていってほしいと思う。