この国の未来2012/12/04 23:00:08

去年のことだったと思う。寝ているあいだにこんな夢を見た。

人口減少で労働人口も少なくなった未来の日本。
ある日、エレベーターやエスカレーターが突然動かなくなる。乗り物だけではない。銀行のATMも、オンラインも、すべて動かなくなってしまったのだ。
原因は、テロではない。それらを動かす人が少なくなってしまったことによるものだ。

おととい、山梨県の中央自動車道笹子トンネルで、天井のコンクリート板が崩落し、9人が亡くなり2人がけがをする大事故が起きた。
事故は、トンネル最上部にボルトで鋼材を固定し、そこからコンクリート製の天井板をつり下げる構造だという。最上部に鋼材を取り付けていたボルトが抜け落ちたか折れたかして崩落につながったのではないかというのが現時点で判明していることだ。

テレビニュースでは、笹子トンネルと同じ構造のトンネル内部の天井板をつないでいる部分を、金づちなどでたたく「打音検査」を緊急実施するした映像が流れていた。笹子トンネルでは打音検査をしていなかったのだ、と、トンネルを管理する中日本高速道路の担当者が事故直後の記者会見で明らかにしている。

この事故をきいて思い出したのがはじめにみた夢だった。

この笹子トンネルも含めて建設から30年以上たっているトンネルが全国にある。今後も同じような事故が起きないとは断言できない。もし、いま東京で巨大地震が起きたら、高速道路はどうなるだろう。一瞬で崩落する可能性も否定できないだろう。想像したくないことだが、どんな悲惨な状況を目のあたりにすることになるのか、とてもこわい。

打音検査をしていなかったことを、簡単に手抜きだなどと言いたくはない。
だが、巨大システムや建築物を利用するのが人間なら、それを支えていくのもまた、人間だ。
これからさき、30年後40年後。どんなことになっていくのだろう。
そう考えると、政治家が訴えていることすべてではないにせよ、彼らの主張のなかにも、いまそれほど大事なものだと思えるものが少ないような。