人とのつながりが切れたらそこで終わり2012/05/19 23:09:19

4月からはじまったNHK朝のテレビドラマ『梅ちゃん先生』。
会社でもお昼に観ることがあるが、字幕がついていないのでさっぱりわからない。しかし朝、自宅を出る前に食事をしながらではあるが、字幕つきで観ている。

舞台は東京・蒲田。
昔耳鼻科治療で何度か訪れたことがあり、梅屋敷商店街も少しだけ歩いた。なかなか人情あふれる町だなと感じたが、劇中では戦後の闇市やキャバレー(「リンゴの唄」などが出てくる)が時代らしさを感じさせる。
いまの若い人にはピンと来ないかもしれないだろうけれど、戦争が終わってみんな生きるのに精いっぱいだった時代だった。

先週は配給で肉料理が出るなど、食卓が少しではあるが豪華になった、主人公・梅子たちのなかで、梅子の父がひとりだけまずしいイモだけの料理にする、と言ってきかない。新聞で伝えられた、ぜいたくな食事を拒否して餓死した弁護士の思いを理解したいからだ、と強弁する。だが梅子たち女性にとってはそんな父の強がりがおかしくも悲しくもある。

でもよく考えてみると、戦後70年たって、どうだろう。
今年に入って孤独死や、餓死などの事件が伝えられている。高齢の夫婦であったり親子でもどちらかが高齢で動けなくなったり病気になったり、周りに助けを求めたくても得られないまま、ひっそりこの世を去っていったのだろう。やりきれない思いを感じる。わたしだったらどうだろうね。聴覚障がいだから人とのつながりが切れたらそこで終わりだろうし。つまりひとごとではない、ということであり、70年がたっても変わっていないということではないだろうか?

主演の堀北真希さんがとてもいい味を出している。おでこをだしたりモンペをはいたり、世代年齢的には(失礼ながら)いまどきの若いギャルとは違った、落ちついた感じを受ける。
堀北さんはこれからも期待している女優さんのひとりだ。

ともあれ、毎朝のテレビがとても楽しいね。