独裁者はつらいよ2011/12/23 23:45:47

今月19日。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)が心筋梗塞のため17日に急死したと伝えられた。享年69歳。

北朝鮮にはもちろん行ったことがないが、核実験やミサイル発射、日本人や韓国人拉致事件などとともに、政府要人でも政策に失敗すれば容赦なく粛清されるなど、まさに恐怖で人々を抑圧してきた。
彼の死をきいて、彼を弁護するつもりも意図もないが、見ていて哀れな人物だなと何度も思ったのも確かだ。

伝えられている限りでは、彼は背が低かったらしい。そのコンプレックスゆえに、上げ底のブーツを履いていたともきく。また外国要人と一緒に写真におさまるときには、背がほぼ同じに見えるようにやはり靴の底を高くしていたらしい。

北朝鮮は首都ピョンヤンに住むことができるのはごく限られた富裕層が多く、国民の大半は貧しい暮らしを強いられているともきく。
そんな国をまとめていくためには、父親である故・金日成(キム・イルソン)にはじまる個人崇拝と神格化などだけではなく、からだのコンプレックスも含めて、うそとごまかしを塗り重ねるほかなかったのだろう。
そういう意味では、神格化などといったやりかたが彼の不幸を招いたのかもしれない。

彼より先に死んだ、彼によって粛清されたり弾圧されたりしたライバルや政治家や官僚、一般市民らが、あの世で彼を待っていることだろう。彼はどのような思いで彼らと再会するのだろう。

こんなことを書いていられる、日本という国も、この国に生まれたことも、はたして幸せなのかどうか。