がまん強さは大事だけれど2011/09/21 23:42:54

非常に強い台風15号のため、今日一日中、紀伊半島から東北にかけて大雨や強風があった。
東京も日中、ものすごい風や雨があって、窓ガラスに叩きつけるような強い雨があったと思えば、吹きつける風にあおられて歩く人もいた。交通機関が止まる前に仕事を早めに切り上げて帰る人も多かったことだろう。

わたしは定時に仕事を終えて帰った。ところが地下鉄が止まってしまい、そのあとの予定先には行けなかった。たぶん手話サークルはなかっただろう。こんな天気では集まらなかったのではないか。

しかたないから途中駅で降りて地上へ上がって軽い夕食をとった。
半年余り前のあの大震災発生の日、同じようにコンビニも食堂も人で埋まり、レジや店入り口には並ぶ人がたくさんいた。ふりかえって思い出すと、お店に文句を言ったり騒いだりする人が一人もいなかった。
今日もそう。こんなときだからこそ他人を思いやり、自己主張することのない、人間らしい姿をみることができた。隣に座った見知らぬ男性に「半年余り前と同じですねえ」と話して苦笑する。

だが、その日本人らしい、すばらしい態度も、時と場所によっては気をつけなくてはならない。
半年がたってもいっこうに復興への道筋がたたない東北の人たち。放射線汚染や原発事故で風評被害が出るなどたいへんだ。
我慢強いと、支援のために来た外国の救援隊の人たちが異口同音に称賛驚嘆していたけれど、この国を動かしている人たちには、彼らの苦しみ悲しみが伝わっているだろうか。我慢強くなにも言わないのをいいことに、復興へのスピードを遅くしたり落としたりしてはいないか。

我慢強さは大事だけれど、おかしい、へんだ、と感じたことには、我慢なんかしないで堂々と声を上げたらいいのではないか。我慢強さと声を上げることはけっして反対のことでもおかしなことでもないからだ。