どぜう2011/08/30 23:53:11

昨日第95代首相に選ばれた野田佳彦氏は、民主党代表選挙の演説で自らを「どじょうにはどじょうの持ち味がある。金魚のまねをしてもできない」と語り、泥臭く汗をかいた政治をしたいというメッセージを発した。
どじょうねえ。

どじょうを食したことのある方はいらっしゃるだろうか。
浅草には江戸時代、1801(寛政13)年から続くというどじょう料理店があるそうで、関東に住む人たちにはなじみ深いのではないだろうか。

わたしが高校時代、札幌に台風だったか豪雨が降って、当時住んでいたマンションそばを流れる豊平川がはんらんした。川から水があふれて堤防沿いは巨大な石や泥に埋まった。
そのはんらんした川へ、バケツを手に祖母とともに足を運んだ。祖母いわく「どじょうがとれるだろう。今晩はどじょうのてんぷらにするぞ」と言うのである。
たしかにとれるわとれるわ、2つ3つあったバケツがどじょうでいっぱいになった。そのどじょうを初めて食べたのが今でも印象に残っている。味は、やわらかく歯ごたえがあった。

所変われば食も生き物も変わるという。
欧米や中近東にはどじょうはおらず、英語ではなじみがないそうだ。野田さんの演説を翻訳した外国メディアはいずれもどじょうについて「泥の中で食べ物を探す、あまり美しくない生き物」「海底の魚」などと伝えたそうだ。

どじょうというと「どんぐり ころころ どんぶりこ」ではじまる童謡も思い出す。どんぐりはどじょうに誘われて水の中に入った。しばらくは楽しかったけれど「やっぱりお山が恋しいと泣いてはどじょうを困らせた」と歌詞にあった。どじょうさんは、なんだかあまりいいイメージや役割ではないねえ。

ともあれ、地味さと根気強さをどじょうにたとえて訴えた野田さんのアピールは、まあまあいいだろう。
これからどんな政治をしてくれるのか。