百万長者と億万長者の争い2011/08/09 23:02:40

もう8月。日本が3位になったアメリカンフットボールのワールドカップから、今度はいよいよアメリカのプロ、NFLだ。
今年2月のスーパーボウルのあと、チームオーナー、つまり経営者と選手会の労使交渉が決裂してオーナー側はチーム施設、練習場から本拠スタジアムまですべての施設を封鎖して選手の立ち入りを禁じるロックアウトにはいった。その後も新人獲得会議であるドラフト会議はあったが、彼ら新人選手も含めた、選手とチームスタッフ、コーチの接触が禁止されたために、通常なら6月ごろから始まるミニキャンプや合同練習もできないまま有力選手が自主的に集まって練習を始め、先月末にようやくロックアウトが解除されて、新人からベテランまで全契約選手が集まったトレーニングキャンプが始まったばかりだ。

アメリカンフットボールという競技は他スポーツに比べて準備や練習に多くの時間を必要とする。試合を見ればわかるが、たとえばセンターからクオーターバックへのスナップ、股のあいだをくぐってボールを手渡すプレーや、クオーターバックからワイドレシーバーやランニングバックへのパスやボールの手渡し、さらには攻守ラインのブロックなど、正確かつち密な練習が必要だ。ただ単に股のあいだをくぐっている、簡単にパスを投げ受けている、セットした位置から相手選手をつかまえている、ようにみえるけれど、それらには気の遠くなるような練習量と反復の繰り返しが必要だ。さらには試合展開やパスプレー、ランニングプレーごとにどう攻め守るかという戦略を立てなくてはならない。これまた日本のイエローページ電話帳の数冊分ほど厚さのあるプレーブックといわれる本に書かれた戦略プランを頭にたたき込まなければならない。
そんなこんなで、ほんとうにわずか1カ月のキャンプで選手の能力を見極め、チームを作り上げていくことができるのか。来月からの公式シーズン開幕でプロとしてのベストな試合をすることができるのか、とても不安である。

だがアメリカという国はいったん危機に直面したときにはとんでもないまとまりを示す国でもある。
百万長者(選手会)と億万長者(オーナー会)の争いといわれた半年にわたる紛争でファンからの厳しい目線にさらされ、いまも景気減速などのなかで高額のチケットを買ってくれるファンのために、好プレーを見せてくれるにちがいない。

コメント

_ 釈千手 ― 2011/08/10 19:38:53

えっ?プレーブックってそんなに厚いんですか!

_ スマイル ― 2011/08/11 00:49:37

釈先生


 スマイルです。いよいよ血肉沸き踊るシーズンですね。

 さてお尋ねのプレーブックですが、けっこう厚いそうですね。32もチームがあるのでみんな同じ分量ではありませんが、アトランタ・ファルコンズは厚いほうで、100~200ページもあるとか。同じプレーでも相手チームのとるフォーメーションによっては異なるバリエーションや対応をしなければならないとか。そうなると何千というプレー戦術を覚えなくてはならないそうです。

ひゃあ、手話辞典以上にハードな記憶力が求められますね。

スマイル

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