4カ月の長丁場がはじまった2011/05/04 23:22:06

2011年9月17日、下北沢の「しもきた空間りばてぃ」でひらかれる、2011年コスモス朗読会。
声のご指導は7月からの朗読クラスで始まるが、2カ月前の今月から、手話訳づくりの取り組みが始まった。

手話訳づくりがたいへんな作業だが、だからといってわたしは毎年の取り組みをいやだとも苦痛だとも、これっぽちも感じたことはない。
まだ2ページ半しか手話ができていないが、手話に直すとどうしてか、台本覚えが早い。逆に言えば台本を覚えるには手話に直すというのが一番いいのかもしれない。手話訳は舞台本番直前まで細部を直したり時代に合わせた訳にしたり。検討を何度も積み重ねる作業も楽しい。

わたしのねらい、願い、コンセプトは「聴こえる人にも聴こえない人にも楽しんでもらえる朗読舞台」。
手話でやるだけなら日本語対応手話がいいのかもしれないが、それだとろう者が楽しめない。できるかぎりろう者が使っている日本手話もしくは日本手話に近い表現でやりたい。もちろん手話のわからない聴こえる人にも楽しめるように、声をつける。だが、声と日本手話をシンクロさせて演じるのはかなりの難技である。日本手話と声を合わせるためには、間合いや顔の表情などの演技力も必要だ。
今回の『鬼平犯科帳』は原作者である池波正太郎さんの原作を生かしつつ、不要なところや説明部分をばっさりカットして、ストーリーがわかりやすいように脚色工夫してみた。もちろん現代にはない言葉もあるから、それらをどう手話で表すかも課題である。

ともあれ。
「聴こえる人にも聴こえない人にも楽しんでもらえる朗読舞台」。
わたしが楽しみ一生懸命演じるのはもちろんだが、何よりも聴こえる人にも聴こえない人にも楽しんでもらえるように、言い換えればわたしのためではなく、聴こえる人・聴こえない人、どちらにとっても意味のある舞台にしたい。わたしが楽しみ一生懸命いのちをかけて演じることが最後にくればいい。みんなのためが一番。わたしが楽しむことは最後に。