人間の本質というか本性が如実に現れる2011/04/19 23:59:42

今回の震災はとても言い表せないショックな出来事がたくさんあるのだけれど、そういうときに人間の本質というか本性が如実に現れることをあらためて痛感している。

福島県から茨城県つくば市に避難してきたある男性が、転居を希望した際、消防本部や保健所で放射能汚染の有無を確認する検査を受けた証明書をもらうように指示するなどしていたという。

報道によれば市側は「市民に無用な不安を与えない目的だった」としているが、転入者からの抗議を受け、検査を求めないことにした、という結論。

ビキニ環礁での水爆実験でも、やはり放射能に汚染されている、などとして魚が売れないなどいう風評被害があったのを思い出す。その前の広島・長崎での原爆投下でも被爆者らは放射能がうつるなどという差別を受けてきた。自分が望んだわけではないのに戦争で被爆者にされ、さらにはいわれのない差別を受けたという苦しみ。

茨城県つくば市の対応も、問題を感じる。
「市民に無用な不安を与えない目的だった」というのはいったいなにか。守るというのは自分の市民だけか。
市民を守るためといいながら避難してきた人に対してそのような対応をするというのは、もってのほか、言語道断、あってはならないことだ。それが行政のやることか。

震災直後の、規律と秩序を守ったとして賞賛されて、今度は弱者を差別する。
醜い部分を見せられた、不愉快な話である。